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会話作文~3/14ってことで
2010-03-13 Sat 17:40
明日はホワイトデーですね。いつの間に~っっ。
光陰矢のごとし、とはまさしくこのことか(笑)
しかしながら、バレンタインにチョコあげてないので当然お返しもない。
あ、でももしかしたらホワイトデーカードが届くかもしれないんだった!
ある役者さんから❤
(※残念ながら巴君の中の人からではありませんが(笑))


ホワイトデーネタ、全然浮かばなかったけど作文書いてみました。
タイトルも思い浮かばない・・・のでタイトル無し!
そんな程度の作文です。
お時間ある方はどうぞ。



「巽くん」
講義の手伝いを終えて研究室に戻ろうとする宗一に、後ろから声がかかった。
「今日は助かったよ。ご苦労様」
「いえ。お疲れ様でした」
直接の担当でない教授から急遽講義のアシスタントを頼まれたのは、宗一が登校して間もなくのことだった。
補助をする予定の学生が体調を崩し、ちょうど手の空いていた宗一が代理を務めることになったのである。
「急に悪かったね。ところで巽くん、昼はどうする?」
「一度研究室に戻ってからにしようかと」
「そうか。お礼に一緒に昼でもと思ったんだが、今日はこれでね」
そう言って、教授が見せたのは弁当の包み。
「愛妻弁当ですか」
「今日はたまたまなんだがね。ご馳走できなくてすまない」
「気になさらないでください」
「君は確か地元の出身だったね。実家住まいかい?」
突然、会話が質問に変わった。
「いえ、今は別に暮らしてます」
「そうか。自炊してるの?」
「してるというか・・・一緒に暮らしてる友人がそういうの得意で。ほとんどはそいつが」
「へえ。それはよくできたお友達だ」
彼女なんじゃないの、などと色々詮索してこない。
この人のそういうところが紳士的だと宗一は思う。
「ワイフの料理を褒めるのを最近忘れてしまっていてね」
「は?」
また急に会話の内容が変わった。
「いやいや、叱られたよ。当然と言えば当然だったんだが。それで料理の感想を言うようにしたらね」
これ、と愛妻弁当を見せて教授はほほ笑んだ。
「そうですか」
「まあ、だから巽くんも」
宗一の横をゆっくり通り過ぎ、少し振り返って教授は言葉を続けた。
「たまには言葉にしてあげるのもいいと思うよ。僕みたいに後で叱られないように」
「はあ・・・」
また手伝いを頼んだ時は宜しく、と言って教授は研究室に戻って行った。

「言葉・・・ねぇ」
あいつの料理についてはそこそこ褒めてると思う。
ん? 感想を聞かれた時に答えてるだけか?
でもあいつは“褒められたい”とか思ってないだろうし。
オレが美味いと思ってることだってきっとわかってるよな・・・?

「わかってんのかな・・・あいつ」
家族にも“言葉が足りない”と言われたことがあったのを思い出し、宗一はまた一人で考え始めた。
「(言葉に出して・・・か)」
昼食前に料理の話をしたせいか、森永の料理が無性に食べたくなる。
そんな雑念を振り払いながら宗一も研究室に戻るのだった。


3月14日ホワイトデー。
今日は妹のかなこと松田さんをアパートに招待している。
バレンタインに二人から手作りのチョコを貰ったお返しに、ランチをご馳走しようと森永が提案したのだ。
最初はどこかで外食をと考えていたが、“森永さんの作ったご飯が食べたい”というかなこのリクエストでアパートでのランチとなった。
リクエストはイタリアン。女の子が好きそうなメニューだ。
松田さんも実はパスタ好きだと聞いて、森永はすぐにメニューを決めることができたようだ。

「こんにちは。兄さん、森永さん、お招き有難う」
「いらっしゃい、かなこちゃん」
「私まで招待してもらってよかったのかしら」
「来ていただけて嬉しいです。アパートは初めてですよね」
「そうなの。嬉しいわあ、宗くんと森永君の家が見られるなんて」
「・・・玄関じゃなんだから、二人とも早く入って」
「はあい。お邪魔します」「お邪魔します」

「すぐに用意しますから、二人とも座ってて下さい。あ、先輩も」
「あ、なにかお手伝いしようか、森永さん」
「いいよ。かなこと松田さんは今日は客なんだから。手伝いはオレがする」
「え、でも」
「かなこちゃん、二人にお願いしちゃいましょう」
松田さんがふふと笑って、かなこを座らせた。

「先輩も座ってくれてていいですよ」
「四人分だぞ。二人でした方が早いだろ」
「でも」
「なんだよ。オレが手伝いもできないと思ってんのか」
「そうじゃなくて・・・じゃあ、オレが盛り付けするんで運んでもらえます? あと飲み物とグラス出してもらって」
「わかった」

あっという間にテーブルの上は料理でいっぱいになった。
メインのパスタはボロネーゼ、すずきの白ワイン蒸し、ハーブチキンを添えたサラダ、ベジタブルスープ・・・
「うわあ、本当のイタリアンレストランに来たみたい!」
「すごいわ~。森永君がこれ全部一人で?」
「スープとサラダは先輩が」
「え?」
「・・・オレは混ぜたり野菜洗ったりしただけだ。味付けは全部こいつがやってる」
「でも兄さんが台所に立つなんて・・・ちょっとビックリしたよ。そっか、二人で並んで作ったんだね~♪」
「は?」
「さあさあ、二人とも。冷めないうちにどうぞ」
「いただきます」
「先輩も」
「ん・・・いただきます」

「美味しいっっ!!」
「美味しいわあ、これ!」
「このソースどうやって作るの? 今度教えて、森永さん」
「うん、いいよ(笑)」
「このチキンもさっぱりしててサラダに合うわね」
「お口に合って良かったです」
少し照れながら、それでもとても嬉しそうな表情の森永。
こうやって女性陣と会話を弾ませることのできる森永を、宗一は感心して見ていた。

「兄さんの作ったスープもすごく美味しいよ」
「え?」
「ほんとに。料理始めたばかりでこんなに美味しいのが作れるなんて立派よ」
「いや、だからオレは混ぜてただけで・・・」
「すっごく美味しいですよ。先輩」
隣に座った森永がにっこり笑ってそう言った。
こいつ、味見してたくせに・・・。
でも、なんだか嬉しい・・・ような変な気分。
「・・・」
宗一の反応を気にすることなく、三人は楽しそうに会話を続けている。

「パスタ、美味いな」
「あ、有難うございます」
「ね~、美味しいよね~」
「魚も美味い」
「本格的よね」
「この肉も、美味い」
「あ、ありがとう・・・」
「兄さん?」
「野菜も、ドレッシングも美味い」
「先輩・・・?」
「あ、あとこのパンも美味いな」
「パンも手作りなの?」
「いや、近所のパン屋で買ってきたんだけど・・・」
「このジンジャーエールも美味い」
「・・・それも買ってきたんですけど」

なんとなく空気が静かに変化したことに宗一が気付いた頃、松田さんが笑いだした。
「なんだか、新婚さんみたいね(笑)」
「え?」
「なっ・・・」
「そうなの? どの辺が新婚さんなの?」
「新婚の時は、奥さんが作ってくれた料理をダンナさんは全部“美味しい美味しい”って言って食べるものなのよ」
「へえ~、そうなんだ」
「宗くんが美味しいって連発してるからついそんなこと思っちゃった。ごめんなさいね、男の子同士なのに」
「あ、いえ別に・・・(オレと先輩が・・・新婚さんみたい??)」
「そそそ、そうですよ。何言ってんですか松田さんっ(赤面)」
「ふふふ。ごめんなさい。それに、森永君のお料理は本当に美味しいわよ。お世辞じゃなく」
「あ、有難うございます」
「宗くんもお世辞で言ったんじゃないわよね?」
「それは・・・もちろん」
「先輩・・・」
「ご飯は毎日のことで大変だけど、食べてほしい相手がいて、その人に作ってあげられるのも幸せよね」
だから、かなこちゃんが一緒にいてくれて嬉しいと松田さんは笑った。
「かなこちゃんもいつか誰かにご飯作った時は、その人が美味しいって言ってくれるといいわね」
「うん。やっぱり言ってもらえないより美味しいって言ってもらえたら嬉しいもん」
「殿方は胃袋で落とすって言う名言もあるのよ」
「なあにそれ?」
「好きな男性は美味しい料理を食べさせて夢中にさせろってこと! 料理が食べたくていつもかなこちゃんに会いたくなるように」
「そうなんだ。かなこ、これからも料理がんばろうっと」
「松田さんっ、中学生に何教えてんですかっ」
「あら、料理は早いうちからやっておく方がいいのよ。ねえ、森永君」
「そーゆーことじゃなくて」

賑やかな会話が続き、食事会は終了した。
「今日はご馳走様でした」
「また是非来てね」
「宗くん、森永君、今日はほんとに有難う」
「いえ・・・かなこのこと、これからも宜しくお願いします」
「はい。それから宗くん」
「?」
小声で松田さんは宗一に手招きした。
そして耳元で一言。
「宗くんのパスタだけ少し硬めだったんじゃないかしら?」
「え?」
「相手を思うってそういうことよ。じゃあまたね」
「??」


その夜。
「なあ、オレのパスタだけ硬めにしたのか?」
「え? なんで・・・」
「したのか?」
「・・・ええ、一応。先輩、あれくらいが好みでしょ、だから・・・。でもよくわかりましたね」
「別に」

こいつはいつもオレの好み考えてんのか・・・。

「今日は・・・嬉しかったです。先輩」
「は?」
「先輩が美味しいって言ってくれて。お世辞じゃないって言ってくれて、オレ・・・」
「・・・別に、言わなくても美味いと思ってるぞ・・・。じゃなきゃ全部食ったりしねーし」
「うん、有難う・・・」
照れて礼を言う森永をなぜか真っ直ぐ見ることができない。
森永を照れさせた自分が恥ずかしいのか、それとも、“新婚みたい”という台詞が思い出されるからか・・・。

「ち、ちょっと腹減ってきたな。なんか残ってるか?」
「あ、それなら先輩」
「?」
台所へ行って戻ってきた森永は何かを抱えていた。
「はい、これ」
「白ワイン?」
「その・・・今日ホワイドデーでしょ? だからってわけじゃないけど、たまにはワインもいいかなって・・・」
「・・・」
「先輩の好きな辛口です。すずきも残ってるし、なんだったら他に何か作り・・・」
「・・・飲むか」
「は、はい。すぐ用意しますね」
「・・・魚でいい、つまみは」
「え?」
「美味いから・・・あれでいい」
「・・・はい❤」

残り物だけでいいと言われても、森永はきっと他にも作るだろう。
それは食べてくれる人がいるから。一緒に食べたい人がいるから。
美味しいと言ってくれる人がいるから。食べたいと思ってくれる人がいるから。
その相手は考えるまでもなく・・・。

「新婚・・・って冗談じゃねえ」
美味しいと言うのが新婚なら、オレたちはずっと新婚と言われちまう・・・。
こいつの料理は美味いから美味いって言っただけなのに。

美味しいと言えなくなった宗一は、これからどうしようかと本気で悩みだした。
台所に立つ同居人の笑顔を見たら、そんなことで悩むことはないとすぐにわかるのに・・・。


おしまい


ホワイトデー、全然関係ね--!
ごめんなさいっ。
松田さんはどこまで知ってる(気付いてる)のかな~。
かなこちゃんとそーゆー話してたりするんでしょうか。
森永君(の料理)を一生懸命褒めるかわゆい兄さんを書いてみました。
かわゆくなってるかどうかかなり微妙ですが(^^ゞ
いつもこんなですみません。
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