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会話作文~あかねさす
2015-02-02 Mon 16:02
2月になってしまいましたが・・・2015年最初の作文です。
さて、今年はいくつ書けるかな・・・(^^ゞ

※この作文の内容は、漫画「恋する暴君」本編とは全く関係ありません。
また今回はオリジナルキャラを登場させています。
二次創作等が苦手な方は読むのをご遠慮くださいね。




先程まで校舎を赤く染めていた陽が沈み、大学構内の人影もすっかり無くなった。
その日は新助手の2人が教授の手伝いで不在だったため、研究室には宗一と森永だけだった。宗一は培養の進み具合を確認し、森永はデータをPCに打ち込む作業中。PCのキーを叩く音に時折二人の会話が交じるくらいの静かな研究室。
そこに。

「巽~、いるか?」

廊下に響く軽い足音に続いて研究室の戸が開かれ、宗一と森永は同時に振り返る。研究室に入ってきた笑顔の男に、宗一はさほど驚いた様子もなく返事をした。

「今宮か。随分久しぶりだな」
「お~、オレのこと覚えてくれてたんだ。数年ぶりだからてっきり忘れられてると思ってたよ」
「勝手に研究室に入ってきて何言ってる」
「相変わらずそっけないな~巽は(笑)」
「お前の騒がしいのも相変わらずだ」

森永には見覚えのない顔。宗一の表情に特に変わりはないが、会話の様子からそれなりに親しい間柄なんだろうと思わせる雰囲気があった。

「大学に用事でもあったのか?」
「いや、名古屋に来る用があってついでだから大学寄って教授に挨拶でもと思ってさ。久しぶりに巽の顔も見たかったし」
「こっちは忙しい」
「お前の活躍はよく聞いてるよ。最近の研究でも・・・」

訪問者の男は宗一の言葉などお構いなしに話し続けながら軽く宗一の肩に腕を回した。宗一は相変わらずの無表情で特に嫌がる様子もなく淡々とあしらっている。肩に回された腕はそのままで、まるで親友のような密着具合じゃないか・・・と、どうにも堪らなくなって森永は宗一に声をかけた。

「あのぅ先輩、この人は?」
「あ? ああ、こいつは・・・」
「あ、オレは今宮。巽とはこの大学で同級だったんだ」
「だった?」
「こいつは3年の途中で東京の大学に編入したんだ。お前がオレの助手になった時には・・・もういなかったか」
「…そうなんですか」
「助手? え? もしかして君、巽の助手やってんの?」
「はあ、そうですけど・・・」
「そりゃすごいな!」
「別にすごくない」
「巽じゃないよ。助手の彼のこと。よくこんな変わり者の助手引き受けたね~(笑) 色々大変なんじゃない?こいつ研究バカだし」
「いえ全然。助手は俺だけじゃないですし」
「へえ~、巽がそんなに人望あったとは驚きだね」
「大きなお世話だ。それよりお前、教授に挨拶しに行くんだろ? 早く行かないと帰っちまうかもしれないぞ。こんなとこで油売ってていいのか?」
「あ、そうだった。じゃあな、巽。また会いにくるから~」
「もう来なくていい」

傍らに立ったままの森永とも軽く挨拶を交わして、爽やかな笑い声と足音を響かせて出て行った訪問者を見送って、宗一は研究に戻る。何事もなかったような空気に戻るか思いきや、その沈黙は森永が漏らした呟きによって破られた。

「・・・仲いいんですね」
「は?」
「先輩にあんな風に親しい人がいたなんて・・・意外」
「別に親しかねーよ。単なる知り合いってだけだ」
「そりゃあいますよね、先輩にだって・・・オレが知らないだけで」
「おい?」
「なんか・・・オレとは違う」

うつむき加減で発せられた最後の言葉は、宗一に聞き取れないほど小さい声だった。

「森永?」
「いえ、何でもないです。すみません、作業続けますね」
「ああ。・・・って、うぁっ!」

PCの方に身を翻した森永が突然振り返ったので、PC脇に置かれた資料に手を伸ばしかけた宗一はその体にぶつかりそうになり咄嗟に避けた。

「あぶねえな。なんだよ?」
「先輩」
「あ?」

衝突は避けられたものの、腑に落ちない顔で声を荒げる宗一に、森永はすっと手を伸ばしたかと思うと更に距離を詰めた。驚く間もなく両腕を巻き付けられ宗一は硬直を余儀なくされる。

「なっ、なっ、なにすんだ急に!」
「やっぱり・・・なんで・・・」

更に大声になる宗一とは対照的に、森永は籠りがちに呟いた。その声は淡々としているというより何かを思いつめているような響きを含んでいて。

「は、離れろ。誰か来たら・・・」
「誰も来やしませんよ。今日は田所くんたちも来ないし」
「そんなの分かるか、さっきだって客が来ただろーが」
「客・・・ね」
「な、なんなんだよ?」
「オレがこうすると・・・なんで拒否するんです? 今だってこんなに体硬くして・・・逃げようとして」
「はあ?」
「あの人の腕は自然に受け入れてたのに」
「あの人?」
「さっきの・・・先輩の友達の」
「今宮か? 何を受け入れてたって?」
「あの人が肩を抱いても先輩全然嫌がってなかった。なのにオレにはいつも・・・」

その瞳に揺れる寂しげな影からは信じがたい力で、逃れようと抵抗する宗一をしっかり押さえつける。見つめる視線はやたらと近くて、宗一は不覚にも胸がざわついた。

「・・・あれが普通じゃねーか。知り合いに肩組まれて意識する奴なんかいねーだろ」
「でも・・・」
「むしろお前の方が普通じゃねえんだよ」
「え?」
「か、勘違いすんなよ! 自分に下心ある相手だって知ってるから意識することもあるって言ってんだ」
「先輩」
「なんだよ?」
「あの人は何でもないから、全然意識しないんですね?」
「だからそうだと言・・・」
「だったら」
「?」
「先輩はオレを意識してるって、だから硬直するんだって・・・そう思っていいんですか?」

そのまま触れるほど近い距離でささやかれた言葉は、聞きなれた声のはずなのに、まるで体の動きを封じてしまうほどの力が備わっているように思える。

「先輩がこうされて緊張するのは・・・オレだけ?」

宗一が答えられずにいるその間も、森永の手は柔らかく髪に触れる。優しく触れる手の動きは、距離が近いせいか宗一の心臓を落ち着かなくさせた。思わずその手を掴んで動きを止めたが、今度は真正面から視線がぶつかる。宗一自身が解っていない答えを見透かされそうな森永の視線に、また何も言えなくなりそうで慌てて目を逸らした。

「・・・し、知るか。っつかこんなことすんのはお前だけ・・・」
「うん、すみません」
「いい加減離れろ!」
「オレ、解りました」

抱きしめる腕の中で格段に速くなったその心拍数。そして、先程見た夕陽より格段に紅く染まったその顔。驚くほどに解りやすい。今しがたの知り合いの時とは明らかに異なる反応。

まだ抵抗を続ける宗一を腕の中にとらえたまま、森永の表情が緩んでゆく。なぜこんなことが今まで解らなかったのかと、自分の未熟さと恋する相手の素直さについ笑みがこぼれてしまう。

「てめっ・・・なに笑ってんだよ!」
「笑ってませんよ~(*´▽`*)」
「笑いながら言うな!」

微笑む森永の顔が、またゆっくりと近づいたので、宗一は覚悟を決めたように押し黙り静かに瞼を下す。宗一の右の拳が森永の脇腹に突き刺さったのは、唇が重なる一瞬前のことだった。

おしまい


場所が研究室でなければ最後がキスシーンでもよかったかも(笑)
兄さんと誰かの自然な密着を過剰に気にして、自分は(悪い意味で)緊張されてばかり、と気にする森永くんと、森永くん相手だから意識してしまう兄さんの、ちょっと可愛い?ラブい会話でした。
タイトルは兄さんの表情から★
・・・全然色っぽいお話が書けない今日このごろ(^^ゞ
今年はもう少しアダルトなシチュにも挑戦してみたい・・・かな???

最後まで読んでくださって有難うございましたm(__)m
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