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会話作文~許可申請中
2013-09-14 Sat 19:23
月にひとつくらいは作文書いておきたいのですが・・・なかなか(^_^;)
あれ? 前回書いたの兄さんBD作文じゃないですか?
随分書けてなかったんですね・・・まあずっとこんな頻度ですけど。

相変わらず日常っぽい地味な話です。
よろしければどうぞ。

※この作文の内容は漫画「恋する暴君」本編とは全く関係ありません。
二次創作等が苦手な方は読むのをご遠慮くださいね。



洗面所にはきちんと折りたたまれた部屋着が置かれていた。
シャワーを浴びている間に用意された着替えは当然宗一のもので、森永の相変わらずの気の利きように軽くため息を吐く。
ふと見れば、すぐ横の洗濯機がぐるぐると回っていた。

普段より少し早目に大学を出たまではよかったが、大学を出た途端、急に雲行きがあやしくなりあっと言う間に雨が降ってきた。
今年の夕立はとにかくタチが悪い。
家まであと少しだというのに、スニーカーの中はおろか下着までびっしょりになるほどのゲリラ豪雨だった。
どうせ着替えるのだからと森永に促され、先にシャワーを使うことにしたのである。

着替えてリビングにいくとキッチンに森永の姿を見つけた。
森永は既に部屋着に着替えている。

「あ、先輩」
「お前はシャワー浴びなくていいのか?」
「オレは平気ですよ。タオルで十分」
「・・・そうか」
「のど渇いてません? はい、麦茶どうぞ」
「おう、サンキュ」

ソファに腰掛けると同時に目の前にグラスが差し出された。氷が涼しげな音を立てて揺れる。

「ぐっしょり濡れちゃったし、ついでだから洗濯しちゃいました」
「ああ」
「あ、忘れてた。スニーカーも水気取らないと」

あわただしく玄関に向かう森永の背中を見ながら麦茶を一口飲んだ。
程良く冷えていてシャワー後の火照った体に心地よく沁みる。
思わず一気に飲み干した。
戻ってきた森永はテーブルに置かれた空のグラスを見ると小さく微笑んだ。
グラスに手を伸ばしかけて、ふと気づいたようにその手でふわりと宗一の髪に触れる。

「もう・・・いつも言ってますけど髪はちゃんと乾かしてください。ドライヤーもあるんだから」
「必要ねえだろ。夏なんだし、ほっといてもすぐ乾く」
「だめですよ。頭が冷えると風邪引きます。それにハゲやすくなるっていうじゃないですか」
「ハゲ・・・?」
「せめて、もう少しちゃんと拭きましょうよ」
「ちょっ・・・なにすんだ森・・・」

困ったような溜息が漏れたと思った瞬間、両手で頭を引き寄せられて視界が真っ白になった。
肩に掛けたままだったタオルを頭からかぶせられ、多少強引な手つきで拭き始めた森永に慌てて抗議する。

「おい、痛えよ・・・」
「あ、ごめん。先輩は軽く触るとくすぐったがるからちょっと強めの方がいいかと思って。じゃあこれくらい?」
「っつか、しなくていいって」

すっと森永の指先から柔らかく力が抜けた。
それまでとは打って変わって優しくゆっくりと手のひらが頭部全体を往復し、タオル越しに心地よさを実感する。
痛みもなくなったので抗議も空しくなり、呆れに似た思いでされるがまま委ねていると、しばらく往復していた森永の手はやがて止まった。
しかしタオルはそのまま頭にのせられたままで、視界は相変わらずほとんど不自由なまま。
不審に思った宗一がうつむき加減だった顔を静かに上げたのと、そこに影が差したのはほぼ同時で、気付いた時には唇に柔らかい感触が落ちていた。
それが何だったのか理解するより早く、微かな麦茶の香りを残して視界が明るくなる。

「てめ・・・」
「・・・」

どさくさにまぎれて唇を奪われたことに気付いた宗一が、タオルを振り落とす勢いで怒声を上げる。
羞恥か怒りか、そのどちらか宗一本人にも解らない朱の色に顔を染めて。
しかし、怒鳴られた当人は相変わらず困ったような表情を浮かべている。

口づけを解いた今も、森永の指先は宗一の頬を滑るように触れていた。
それは目元に移動し、そしてまた頬へと下っていく。
その動きが理解不能で宗一は困惑した。

「やめろって…」
「・・・」
「なんだよ?」
「田所くんが、さっきこんな風にしてましたよね・・・研究室で」
「はあ?」

予想もしない返事が返ってきた。
一瞬思考回路が途切れたような気がしたが、研究室という言葉をヒントに記憶をたどる。
思い返してみれば確かにそんな記憶もあったのだが。

「あれは・・・実験中に蒸気でメガネが曇ったから、田所がメガネ拭きを持ってきてくれて」
「・・・」
「顔にも水滴がついちまってて、それを…」

田所が軽く手で払っただけにすぎない。
まさかとは思うが、あんなことを気にするなんて。

「・・・またヘンなこと考えてんじゃねーだろーな?」
「もちろん、気にしてませんけど」

そう言いながら微笑んだ森永だったが、ふっと複雑なまなざしを向けて再び宗一の頬に触れた。

「田所くんに他意がないのは解ってます。でも先輩があんまり無防備だから」
「はあ? 無防備?」
「誰に対しても警戒しないでしょ?」
「警戒って・・・」
「まあ・・・そういう先輩だからオレがずっと近くにいられたのかもしれませんけど」

気付かないのをいいことに傍に居続けたんだから、と自嘲気味にぽつりとつぶやく。

「お、男に触られて嬉しいわけねーだろーが」

女相手なら嬉しいのかといえばそういうことでもないのだが。
森永は真剣な表情のまま、触れている指先だけを髪へと移動させ、囁くように問う。

「オレも・・・男ですけど?」

どことなく不安げな声色に、宗一は何と返せばいいのか迷ってしまう。
森永の中では今でも、宗一が元々ノーマルであるということが引っかかっているのかもしれない。
確かに男同士であることを抵抗なく受け入れているわけではなかったが、そのことに以前のような嫌悪や躊躇があったとしたら、付き合いを続けられるはずもなく同居できるはずもない。
そもそも男女の別なく、ここまで許して心身共にさらけ出した相手は一人しかいないというのに。

「お、お前だけは・・・そうじゃないって言ったじゃねーかよ、前に」

そうじゃない・・・曖昧な返答ではあったが宗一らしいその言葉の意図を理解できると思ったのだろう。
目の前の相手だけには伝わると。
しかしよくよく考えるとそれなりに恥ずかしい発言だったことは明らかで、森永から目線をそらさずにいられない。
うつむいている顔の上で、軽く笑ったような小さなため息が聞こえた気がした。とても優しく、穏やかなため息。

「好き・・・先輩・・・」

顔を上げようとしたのと同時に、長い両腕でふわりと肩を包まれる。
思いがけない緊急事態に頭がうまく回らない。
ただでさえ、こういう行動に出た森永は苦手で、今はその腕から逃げる方法すらすぐに思いつかなかった。

「先輩」
「・・・なんだよ」
「キスしてもいい?」
「はあ?」

してもいいもなにも・・・

「さ、さっきしたじゃねーか」
「もっとちゃんと・・・」
「てめ・・・調子にのんな・・・」
「だめ?」

訊けばいいってもんじゃねー、と心の中で叫んでみたが、さっきよりずっと近くにある森永の目が真剣らしいと解ってしまい、怒鳴ることさえできなくなる。
その目の中にまだ不安の色が残っているような気がしたのだ。
語弊があるかもしれないが、宗一は森永のこういう表情にとにかく弱い。
そんな顔をさせてしまうのは自分に原因があることをもう自覚しているからだ。
当の森永が宗一の困惑に気付いているかどうかは定かではないが。

「・・・ずるいんだよ、お前は・・・」
「? 何がですか?」
「何でもねえよ」

悔し紛れに小さく吐き捨てた。
逃げられないならせめて目を合わせることだけは避けようと、静かに目を閉じる。
森永がまたふっと笑ったような息を漏らした気がしたが、すぐに降りてきた唇のせいで確かめることはできなかった。


おしまい


・・・夕食は? とか 兄さん結局髪乾かさないの? とかいうご指摘は無しでお願いします(~_~;)
兄さんはこのまま(自然に)森永くんの部屋に連れ込まれるような気がしますなあ(笑)
この先はご想像にお任せいたします。
いつもキスから先を書けなくてすみませんm(__)m

読んでくださって有難うございました!
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