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会話作文~ケーキのお代
2012-12-24 Mon 23:55
ギリギリですが、皆様メリークリスマス でございます。
楽しくお過ごしですか? それとも既に過ごしちゃいましたか?

クリスマス作文・・・として書いてみようと思ったのですが
やっぱりクリスマスじゃなくてもいいようなお話になっちゃいました。
ところどころで無理やり感は否めないです(・・;)

会話メインの作文です。
言い訳しますと・・・時間が全然足りなくて突貫工事的な仕上がり具合です(*_*;
後々、情景描写や心情描写の部分を補足できれば、と思ってますが
今日のところはこれでお許し下さい。

※この作文の内容は、漫画「恋する暴君」本編とは全く関係ありません。
二次創作等が苦手な方は読むのをご遠慮くださいね。


12月24日、クリスマスイブ。
本当のメインは明日なのだろうが、日本ではその前日をことさら大事にする人間が多い。
というか大事だと考えているのは主にカップルかもしれないが。今年のイブは振り替え休日にあたっており、三連休ということもあってデートや旅行に出かけた恋人たちも少なくないだろう。
そんな恵まれた日でもいつもとほとんど変わらない夜を迎える二人もいる。ほとんど変わらない、というのは普段は和食が並ぶテープルに洋食とシャンパンが並べられているからである。

「ローストビーフにポトフにシャンパン・・・」
「だ、だめですか? せっかくのクリスマスだから、たまにはこーゆー料理もいいかなって(・・;)」
「いや、うまそうだしいいんじゃねーか。・・・せっかくのクリスマスってのはよくわかんねーけど」
「はは・・・」
「つーかお前はホントなんでも作れるんだな」
「見た目ほど大変じゃなかったですよ。ローストビーフはレシピ見ながらですけど一人で作れたし、ポトフは煮込むだけですから(笑)」
「簡単な料理には見えねえけど。まあいいや、冷めないうちに食うか」
「はい」

テーブルの上の料理がなくなりかけた頃、空けた皿をキッチンに運んで、またリビングに戻ってきた森永の手には缶ビール。
「はい、ビール」
「サンキュ」
缶を手渡しながら、なんとなく言いづらそうに話しかける。
「先輩、あの・・・オレ、デザート食べてもいいですか?」
「デザート?」
「チョコケーキ作ってみたんです。ガトーショコラ・・・」
「作ったって、お前がか?」
「ええ、まあ」
「・・・」
「・・・」
「オレのは小さめに切ってくれ」
想像もしていなかった宗一からの依頼の言葉に、森永は思わず訊き返した。
「・・・え? 先輩、食べるんですか?」
「なんだよ? 手作りだっていうから味見くらいさせてくれんのかと思ったのに。全部お前の分なら無理にくれとは言わねーけどさ」
「い、いいえ。食べてくれるならぜひ・・・ぜひ一緒に」
「いいのか?」
「はい! もちろん(^◇^)」
なぜ訊き返したのかと宗一が不思議に感じるくらい、軽やかな足取りで森永は再びキッチンへと戻って行った。

すっかり片付けられたテーブルに、一切れずつ分けられたケーキが二つ並ぶ。
自分の分のケーキが小さいのは分かるが、なぜか森永のそれも同じくらい小さく切られていた。
それでもチョコのいい香りがふわっと 鼻孔をくすぐる。
「じゃ、いただきます」
「・・・どうぞ」
パクリと一口。
チョコの味が口の中に広がった・・・のだが。
「!」
「ど、どうですか?」
「・・・うまい」
「ほ、ほんとに?」
「甘くない・・・というより苦いな」
「・・・」
「チョコのケーキだからもっと甘ったるいのを想像してたけど、これは普通にうまい」
2度も「うまい」と言われて、森永の顔からは緊張が消え、あっという間に表情が緩みだした。
「よかった(*^_^*) 」
「小さく切ってもらって悪いが・・・もう一切れいいか?」
「は、はい!」

「先輩がこんなに喜んで食べてくれるなら、もっと大きいの焼けばよかったな(笑)」
「・・・」
ケーキにフォークを挿しながら、興奮冷めやらぬといった顔で森永が呟く。
「オレ一人で食べるつもりだったからこれくらいでちょうどいいかと思って」
「・・・うそつけ」
宗一は突然そんな言葉を返した。
「・・・え?」
「お前の好みじゃねーだろ・・・こんな苦いチョコ」
「そ、そんなことないですよ」
「すげえ甘党のくせして」
「う・・・」
「・・・オレに合わせて作ったんだろ、これ?」
「え・・・」
「一口食べればわかる」
まさか気がつかれるとは思っていなかった。でも、気が付いてほしいとどこかで願っていたのも事実で。
「先輩・・・」
「オレが食うって言わなかったら、本当に一人で全部食うつもりだったのかよ?」
「だって・・・先輩はケーキ好きじゃないし、無理に食べてもらうのも・・・」
「手作りまでしたのにか?」
「・・・」
「お前がそうやってネガティブに考えるのはオレの物言いが悪いせいもあるのかもしれねーけど、言われなきゃ分かんねーこともあるんだぞ?」
「・・・はい」
「作ってくれたもんはちゃんと食うよ・・・オレのために作ってくれてんだから」
「せ、先輩・・・」
「あ、うまいのはホントだからな。ケーキに限らず、お前の作るもんはなんでもうまい」
「先輩はブラックコーヒー好きだし、苦いチョコなら美味しく食べてもらえるかもしれないと思って。苦くても美味しいチョコ見つけて、メレンゲ使って軽い感じのケーキにしてみたんです」
「メレ・・・?」
「(笑) おなかに溜まりすぎないように考えたんですよ」
「へえ・・・手をかけて作ったんだな」
ほんの少し残ったケーキの欠片を見つめて、宗一がしみじみとそんなことを言うから、森永は照れるような困ったような気分になる。
「それほどでもなかったけど」
「うまいチョコもあるんだってわかった・・・ごちそうさん」
「お、おそまつ・・・さま・・・でした」
「な、なんで泣くんだよ?」
「・・・なんか嬉しくて・・・変ですね」
「ったく・・・」
「あ、先輩、口元にチョコついてますよ」
「ん? どこに?」
「ここ」

ちゅ

すっと手を伸ばしてきたと思ったら、危険を察知する前にあっと言う間に奪われる。
軽く重ねられた唇はすぐに離れたけれど・・・

「き、急に何す・・・」
「ケーキの御代(*^_^*)」
「はあ?」
「美味しくできたから、もうちょっと貰っても・・・いいですか?」

そう言って微笑む森永の顔が、また近づいて。
文句を言う余裕もなく、すぐに重ねられた口づけは、さっきよりもずっと深かった。


おしまい
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