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会話作文~オレとセンパイ2~それはまるで恋のように
2012-02-04 Sat 01:23
今更感満載ですが、一昨年の11月に書いた作文の続編です。
前回の説明は入れてますが、今回の作文だけだと解り難いところがあるかもしれません。
お時間があったらで結構ですので、前回の作文を先に読んでいただけると有り難いです。

オレとセンパイ ← クリックするととべます

ちなみに兄さんは登場してません。
それらしいのは出てきてますが(笑)
ファンタジー要素が強く、他の「会話作文」ともかなり違った感じの作文だと思います。

※作文の内容は「恋する暴君」本編とは全く関係ありません。
オリジナルのイメージを壊す可能性もありますので、二次創作等が苦手な方は
読むのをご遠慮ください。



オレがセンパイと出会ったのは桜の花もまだ咲いていない、大学の入学式前のことだった。
大学近くのアパートに引っ越してきて数日経ったある日の夕方、ケンカで傷を負ったセンパイを道端で見つけて介抱したのが知り合ったきっかけ。
だけどセンパイは、普通じゃなかった。
自分をネコだと彼は言うけれど、その姿はどう見ても人間の男だった。
・・・頭の上の大きな三角の耳と長い尻尾、そして身長が30cmほどしかないサイズを考えなければ、だけど。

出会ったその夜は彼と二人?で過ごした。
もちろん変な意味じゃなく、二人で食事をしてTVを見て、同じベットで眠った。
何度も言うけど変なことはしてない・・・ケガをしていたセンパイが心配だったし、それに名古屋に来たばかりでまだ友達もいなかったからセンパイと一緒にいられるのが嬉しかったんだと思う。
彼がネコ仲間に「センパイ」と呼ばれていると知り、オレにもそう呼ばせてほしいと言ったら、ちょっと恥ずかしそうな顔をしながらも許してくれた。

友達になれたかな、と思っていた。
もしかしたらセンパイから会いに来てくれるかも、そんな期待もしていた。
だけど次の日もその次の日も、センパイがオレを訪ねてくることはなかった。
オレはなんだか無性にセンパイに会いたくなって、外出する度その行き帰りの道でセンパイを探しながら歩いてみた。
彼は野良猫だから居るところが定まってないかもしれないけど、この近所に居るならきっと会えると思ったんだ。
意外なことに探し始めて2日目でセンパイに会えた。
こんなにすぐに会えるなら待ってなんていないでさっさとオレから探しにくれば良かったよ。

センパイは道に面した家の塀の上で昼寝をしているようだった。
塀の中から道に伸びた桜の枝の蕾が大きく膨らみはじめている。
塀の上のネコと桜の蕾、やわらかな春の訪れを想像できそうな組み合わせのはずなのに、どうも似合わない。
・・・センパイが涅槃仏よろしく堂々と横向きに寝てるんだから、雰囲気じゃないのも当然か(^^ゞ
「センパイ?」
オレの声に気付いてゆっくりと目を開ける。
その仕草はほんとのネコみたいなんだけどな(笑)
「・・・もりにゃが?」
忘れられてなかった・・・よかった。
「昼寝もいいけど、もう夕方近いから冷えるよ」
「ん~~」
返事はしないでぐーっと伸びをする。伸びは人間と同じなんだよね(笑)
「今日はエサが見つからにゃくてさ。動くと余計に腹減るから寝てた」
「そうなんだ(笑)」
「さてと、もう一回探しに行くかにゃ」
「探すって、エサ?」
「ああ」
「よかったらうちに食べにこない? この間は唐揚げしかなかったけど、今日はもう少しセンパイの好きなもの作れると思うよ」
「・・・」
センパイはオレの顔を見て黙りこむ。
もしかして、迷惑だったかな?
「め、迷惑なら無理に誘わないけど・・・」
「いや・・・」
「?」
「嬉しいんだけどさ・・・お前に甘えてばかりだと自分でエサが探せにゃくにゃっちまうと思って」
「え?」
「美味いもん喰うと今まで喰ってたもんが喰えにゃくにゃりそーだし・・・あの唐揚げ、すげえ美味かったから」
「それ・・・」
それがオレのとこへ来てくれなかった理由・・・なのかな?
「でもにゃあ、腹も減ったしにゃぁ・・・」
「なら今日はオレに付き合ってよ。オレがセンパイと一緒にご飯食べたいから誘ってるんだし」
「・・・お前、この間もおんにゃじこと言ってにゃかったっけ?」
「そうだっけ?(笑)」
「まあ・・・いいや。付きあってやるよ」
「うん、どうぞどうぞ(^◇^)」
センパイもこの前と同じ返事してるよ(笑)

夕食はブリの照り焼きと豚の生姜焼きをふるまった。
遠慮していたのか、センパイはなかなか食べようとしてくれなかったけど、オレが食べ始めるとすぐに手をつけてくれた。
「これ、美味いにゃ」
はぐはぐと食べるセンパイはやっぱり可愛かった。
センパイが来るかもと思ってブリを買っておいてよかった~(*^_^*)

「もりにゃがは、にゃんでオレにゃんかを誘うんだ?」
食器を片づけようとしたとき、センパイがそんなことを訊いてきた。
「なんでって?」
「お前は人間にゃのに・・・飯は人間の友達と食った方が楽しいんじゃねーか?」
「あ~、うん。オレ、この街に来たばっかりで知り合いが全然いないんだよ。大学もまだ始まってないから誰かと知り合う機会もないしね」
「ダイガク?」
「人間が勉強しにいくとこ」
「へえ。じゃあ、もりにゃがはどっから来たんだ?」
「すごく遠いとこだよ」
「隣町か?」
「もっと遠いとこ」
「隣の隣の町くらいか?」
「(笑) もっともっと・・・歩いて行くにはちょっと無理かな。人間の足でも」
「・・・そんにゃに遠いのか」
「うん」
もちろん歩いてきた訳じゃないけどね。センパイは飛行機や新幹線を知ってるんだろうか?

「・・・寂しいか?」
センパイが独り言のようにぼそりと呟いた。
「え?」
「一人で寂しくにゃいのか?」
声のトーンは変わらないけれど、今度はオレに問いかけているのがはっきりわかった。
「・・・」
「オレは生まれた時から一匹だからよくわかんねーけど、家族や友達とはにゃれて暮らすのは寂しいだろ?」
「・・・どうかな。どこでも愛してもらえないから、オレ」
ふっと口をついて出た言葉に自分でも驚いた。
センパイ相手に何言ってるんだ、オレは!
「べつに深い意味はないんだ。それに、こっちでもそのうちに友達もできると思うからそんなに寂しいとは思ってないよ」
「・・・」
「センパイとも友達になれたし」
「へ?」
「え? もしかして友達だと思ってたのってオレだけ?」
「い、いや、そーゆーわけじゃ・・・」
「友達でも友達じゃなくても、こうやってセンパイと食事したり話したりできるのがオレはすごく楽しい」
「お、お前はいいヤツだから」
「え?」
「すぐにいい友達できると思うから! オレの他にも、たくさん・・・」
「・・・うん、ありがとセンパイ」
オレの他って・・・センパイもオレのこと友達だって思ってくれてたんだね。

「センパイ、お風呂って知ってる?」
「オフロ? にゃんだそりゃ?」
「やっぱり知らないんだ。体をきれいに洗ったりお湯であったまったりするんだよ」
「洗う? あ、あったまる?」
センパイが驚いたような声で反応したからこっちもビックリした。
「ど、どうしたの?」
「そ、それはいわゆる・・・シャンプーってやつか?」
「厳密にはシャンプーじゃないけど・・・それも含むかな?」
「し、知らにゃい。知りたくもにゃい」
「センパイ?」
「知り合いのネコから聞いたことがある・・・飼い主に水に入れられて泡だらけにされて死ぬ思いをしたって」
「(笑) きっとキレイにしてくれようとしたんじゃない? ノミの季節にはネコも洗ったりするって聞くよ」
「オレはノミにゃんかいにゃい!」
「はいはい(笑) でもそんなに恐ろしいもんじゃないし。センパイはきっと気に入ってくれると思うから、一度入ってみませんか?」
だって、センパイはネコであってネコじゃない・・・とオレは思ってるわけで。
「・・・」
「オレがちゃんと近くにいるから」
「・・・ほんとに恐ろしくにゃいんだにゃ?」
「うん、大丈夫。オレがセンパイを怖い目に合わせるわけないでしょ?」
「・・・」

そんなこんなで、やっとこさ風呂に入るのを承諾してくれた。
無理やり入れるものでもないけれど、4月になったばかりの時期、毎日寒い思いをしてるセンパイにあったまってほしかったんだ。
それに・・・不思議といつも清潔に見えるセンパイをもっときれいにしてみたかったから。

服(センパイが言うには毛皮らしいのだが)を脱いだセンパイの肌は・・・白かった。
白い肌に残る先日の傷痕が痛々しい。
手当をした時一度見てはいたけれど、なんとなく直視してはいけないような気がした。
・・・肌だけじゃなくその傷痕の赤さが気になって妙な気分になる。
なに考えてんだ。
確かにオレはゲイだけど、まさかセンパイに欲情なんて・・・あるわけない。センパイはネコなんだから。

オレは服を着たままでセンパイを洗い場に呼び、バケツに張ったお湯の中に導いた。
センパイがおそるおそるお湯に足をつける。
何も怖いことはないとわかったらしく、そのまま文句も言わずにゆっくりお湯に浸かってくれた。
「・・・あったかい」
「ね? 気持ちいいでしょ?」
「ん」
ふあ~っとお湯の中で伸びをする仕草もやっぱり可愛い。
「あれ? にゃんか急に見えにゃくにゃったぞ?」
「あ、メガネははずさないと。湯気で曇っちゃうから」
「これがねえとよく見えねえんだけど・・・」
「今はオレがいるから大丈夫」
センパイの小さなメガネを預かって洗面所へ出る。
壊したら大変だから危なくないとこへ置いとかないと。
「センパイ、髪洗ってもいい?」
「あ、洗うのはちょっと・・・」
「じゃあお湯で少しすすぐだけ。それならいい?」
「・・・ヤダって言ったらすぐやめろよ」
「わかりました(笑)」
センパイの長い髪を手の平に溜めたお湯ですすぐ。
細くて綺麗な髪の毛・・・まるで絹糸みたいだ。
「・・・フロってこーゆーもんにゃのか。知らにゃかった」
「ネコはあんまり入らないよね(笑)」
「気持ちいい・・・」
「よかった(*^_^*)」

さすがにドライヤーの風はセンパイには強すぎると思ったので、しっかりタオルドライすることにした。
かしかしとタオルで頭をマッサージしているうち、センパイはうとうとし始めた。
野良猫生活は色々と大変なんだろうか。よく寝てはいるみたいだけど。
「センパイ、今日も泊ってく?」
「いや・・・そんにゃしょっちゅう泊まる・・・わけには・・・」
もうほとんど目が開いてない(笑)
「センパイ?」
「zzzz」
あっという間に熟睡してる。これもネコのなせる技なのかな?

センパイをベットに寝かせて、今度はオレが風呂に入った。
「センパイと一緒に入ればよかったかな。オレがセンパイを支えれば一緒にお湯に浸かれたのに。センパイだって小さいバケツより広いバスタブのお湯の方がきっと・・・」
湯船に浸かりながらオレは一人で喋っていた。
ん? センパイを支えて一緒に・・・ってなんだそれ?
それじゃまるで恋人みたいじゃないか。ってセンパイはネコだけど。
考えを否定しようとすればするほど、思い出されるのはセンパイの白い肌で・・・。
「いい加減にしろ!!」
自分を戒めるように全身にシャワーの冷水を浴びた。
胸のあたりの痛みがなくなるまで何度か深呼吸して風呂からあがった。

センパイはオレのベッドで小さな寝息を立ててすやすやと眠っていた。
横向きに、手足をほんの少し曲げて。
ネコなのに丸くならないんだね。
ネコなのに・・・。
自分に言い訳しているみたいにその言葉を繰り返す。
本当は気付いてる。
オレはセンパイをネコだと思っていないことを。
センパイの「ネコじゃない」部分に強く惹かれ始めていることを。
でも。
そう思ってはいけないこともわかっていたんだ。
それを認めてしまったら・・・もうセンパイとは会えなくなるから。
「センパイ・・・」
眠っている今だけ、愛しい気持ちを込めてその名前を呼ぶ。
「おやすみ・・・」
センパイの額に軽く口づける。
彼が知らない、人間の愛の表現。
明日の朝目覚めた時には、この感情が消えていてくれますように。
隣で眠る彼を可愛いネコとして、友達として見れますように。
強く願いながら、オレはセンパイの隣に横になり、目を閉じた・・・。


つづく



プロローグ程度でおさまる予定だったのに、なぜかこんなに長くなってしまいました^_^;
盛り上がらない内容ですみません、だってだってプロローグだったから~~~。
一応続きます。
次回は波乱の予感、そしてたぶんR指定(ぇ
私にそーゆーのを期待してる方はいらっしゃらないと思いますし、期待されるほどのものは書けないですが
よろしければまたネコ耳兄さんに会いに来てやって下さい。

読んで下さって有難うございました!
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この記事のコメント
私このシリーズ読んでから自分の猫ちんが兄さんに見えてすんごいアホいです- -; だっておんなじ寝方するんだもん!こっちに背中向けてあたしの脇にはまってる猫ちんを抱きかかえるようにして猫ちんの背中にスリスリしながら寝てます*^^* でもうちの猫ちんは常にベタベタしてくるので普段は森永君です。
2012-06-13 Wed 18:56 | URL | えりこーん #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
おお~猫ちゃんと暮らしてらっしゃるんですね。羨ましい~~(#^.^#)
私、実は猫大大大好きなんですよ~。
実家には2匹いるんですが、今住んでるとこはペット×なので・・・(ToT)
兄さん的なプライドの高いデレない猫ちゃんもいいけど、いつもくっつきたがる甘えんぼな猫ちゃんもかわゆいですね~スリスリしたい、してほしい(笑)

「センパイ」をえりこーんさん家の猫ちゃんに重ねて下さって有難うございます★
最初に考えていたより「センパイ」がかなり物分かりのいい素直な子になってしまって兄さんっぽさが少なくなっちゃたんですが・・・でもまあ兄さんじゃないから許して下さいね。
続きは若干ダウナーな展開になる予定なので書くのが少し怖いです(ぇ
そんなヘタレの書くお話ですが、更新した際にはまた遊びにきてくださると嬉しいです。
コメント有難うございました!
2012-06-14 Thu 00:51 | URL | 日和 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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