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会話作文~ケーキに砂糖をかけて
2011-07-06 Wed 23:23
遅くなってしまいましが、森永くんパピバ~っということで作文ひとつ。
誕生日なのに相変わらず日常っぽさ全開でスペシャルなところは微塵もございませんが
それでもよろしければ・・・。

※作文の内容は「恋する暴君」本編とは無関係です。
二次創作等苦手な方は読むのをご遠慮ください。



「なにか食いたいものあるか?」
研究室。帰り支度をしていると後ろから先輩の声がした。
「はい?」
「誕生日だろ、今日」
誕生日・・・先輩からその言葉をきけるなんて。
「あ、覚えててくれたんですか?」
「まあな。で? 希望があればきいてやるぞ。誕生日だから特別に」
「希望・・・」
「つってもこれから行って入れるとこになっちまうけど。居酒屋か飯屋か・・・」
そうか。
今日は早めにあがるって先輩が言ってたのは、オレに奢ってくれるつもりだったのか。

「じゃあ・・・ケーキ」
「ケーキ?」
「なんとなく甘いもの食べたいなあって(笑)」
先輩にとって買いにくそうなものを敢えて言ってみる。
ケーキを買う先輩なんて想像できない、ちょっとした悪戯心から出た言葉だった。
だけど、先輩の返事は予想外のもので。
「・・・そんなんでいいのか?」
「(え?) 先輩こそ、ケーキなんて買えないでしょ?」
「どういう意味だよ? ま、そうくるかもと思って準備だけはしといたんだ。行くぞ」
「行くって、どこへ?」
「決まってんだろ。ケーキ屋だ」

帰りがけにつれて行かれたのは、アパートから少し歩いたところにある小さな洋菓子店。
閉店時間が近いせいか他にお客はいなかった。
先輩は予約してあったらしいそれを受け取ると、テキパキと支払いを済ませた。

「先輩・・・2人なのに、なんでホールケーキ?」
入れられた箱は小さめだけれど、明らかに中身がカットケーキでないことはわかる。
「? 当たり前だろ? 誕生日なんだから」
「でも先輩は甘いもの苦手だし、オレも一度じゃ食べきれないかもしれませんよ」
「大丈夫だって。一番小さいサイズのにしたし、2日くらいならなんとか保つらしいぞ」
「はあ」
2日間食べ続けるのはオレですよね? 甘いもの好きだから構わないけど。

「ホールケーキは幸せを分け合うって言うだろ? ま、今回はオレと2人だけだがな」
「それって・・・ウエディングケーキの話じゃなかったですか?」
「え?」
「確か、そうだったと思いますけど」
「・・・ガキの頃、オヤジがいつもそう言って誕生日にデカいホールケーキを用意してたから・・・オレはてっきり・・・」
ああ、そうなんだ。
あのお父さんならそんな風に家族を祝ってもおかしくない。
「幸せを分け合えるなら、どっちも正解かもしれないですね。じゃあ今日はオレの幸せを先輩に分けてあげるってことで(*^_^*)」
「何言ってんだ。支払いはオレだぞ? でもまあ、貰えるもんは貰っといてやるよ」
「うん。有難う、先輩」

ケーキは季節のフルーツが何種類ものった生ショートだった。
先輩が小さいろうそく5本をケーキに立ててくれる。
さすがに二十何歳分のろうそくを貰うことはできなかったみたいだ。
歳の数に足りなくて悪いけど、と先輩は言ったけれど、誕生日用に用意してくれてたことには違いない。
「さっさと吹き消せ」
「歌歌ったりはないんですか(笑)?」
「調子に乗るな」
「はいはい」

5本・・・先輩と出逢って5回目の誕生日。
貰ったろうそくの数が5本だったのはもちろん偶然だろうけど、やっぱり嬉しい。
先輩とここにいることも、先輩に祝ってもらってることも。
今の幸せを心に焼きつける気持ちでろうそくの火を吹き消した。

「口の中、甘い味しかしねえ・・・」
小さ目に分けたケーキを完食した後、先輩がつぶやいた。
「(笑) そりゃケーキですもん。口直しになにか作りましょうか?」
「いや、腹はふくれた。そうだ、さっき買ってきたの、出してくれ」
「さっき? ああ、これですね(*^_^*)
途中のコンビニで先輩が買い足していたもの・・・袋を開けてみるとポップコーンが入っていた。

「誕生日だからってわけでも・・・ねえんだけど」
オレがポップコーンをテーブルに出すのを待っていたように、先輩が何か差し出す。
「はい?」
「借りてみた」
「なんです?・・・映画のDVD?」
「お前、一人暮らししてた時はこーゆーの時々借りて見てただろ? なのに同居してからは全然・・・」
「オレがDVDレンタルしてたの、よく知ってましたね?」
「お前のアパートでたまに見かけたから」
「・・・そうだったんだ」
先輩・・・案外オレのことよく観察してくれてたんだな。
「だからポップコーン買ってきたんですね」
「・・・映画だからな」
「先輩って意外に王道を選ぶタイプなんですね~。なんかイメージじゃないような?」
「うるせー。こーゆーのは定番でいいんだよ」
「(笑)」
「お前こそ・・・オレに遠慮してんじゃねーのか?見たきゃ見て構わないんだぞ。お前の家でもあるんだから」
「う~ん、最近はそれほど見たいものもなかったっていうか・・・先輩と話してる方が楽しかったんじゃないかな」
「・・・え?」
「あ、だから、一人で時間つぶすより誰かと過ごす方が楽しいんですよ。一人暮らし長かったから余計に」
「ふ~ん・・・」
「だけど先輩がオレのためにDVD借りてくれたのはホントに嬉しいです。有難うございます」
普段こんなことしない人なのに・・・わざわざ。
「別に・・・。適当に選んだから面白いかどうかわかんねーぞ。見たことあるかもしんねーし」
「せっかく借りたんですから先輩も一緒に見ますよね?」
「・・・そのつもりだけど」
「\(^o^)/」
やった!!
先輩と映画鑑賞・・・もしかして初めてじゃないか?
 
「3本も借りてくれたんだ」
「ネットだから一度に何本か借りた方が得かと思ってさ」
「ええと・・・全部洋画ですね。アクションとコメディと・・・あ」
その中に。
「オレは映画詳しくねえし、お前がどーゆーの好きかもわかんなかったから、見たヤツの批評読んで選んだ」
見つけて、また驚いた。
「これ、見たいと思ってたイタリア映画です」
「そ、そうなのか?」
「一度レンタルして見たことあるんですけど、もう1回見たいって思ってたんですよ。先輩、よくわかりましたね?」
「た、単なる偶然だろ、そんなの」
「2時間以上かかりますけど・・・早速見てもいいですか?」
「ああ」
「じゃオレ、飲むもの用意しますね。ポップコーンだから麦茶かコーヒー・・・」
「コーヒーがいい」
「はい(^◇^)」

オレがまだ赤ん坊だった頃に公開された映画。
2時間、時々思ったことを口にしながら、それでも食い入るように映画を見た。
オレはともかく先輩が結構惹き込まれて見ていたのには正直驚いた。

「あのじーさん、かっこいいな」
画面にエンドロールが流れ始めると、先輩がポツリと呟いた。
「どこらへんがですか?」
「なんつーか・・・ガキをちゃんと一人前に扱ってるところとか」
「ああ、なるほど。オレは青年期の主人公の恋が成就するところに泣けました。なんかシンクロしちゃって・・・」
「シンクロ?」
「絶対に振り向いてもらえないってわかってる相手に片想いし続けるのって切ないですもん。オレにとって先輩はずっとそういう存在だったから・・・高嶺の花、みたいな?」
「た、高嶺の花って・・・頭、お、おかしいんじゃねーの、お前?」
「(笑) だけど彼は彼女の心をつかみましたからね。羨ましいというか、オレももっと頑張ろうと思・・・」
と、オレの言葉を遮るように先輩が早口で喋り始める。
でも顔は真っ赤だ。
「オ、オレは母親の言葉が印象的だった。最後の方の」
「母親の?」
「『お前は正しい』みたいな、さ。あんな風に言ってもらえると、子供としては嬉しいよな」
「・・・もしかして、先輩のお母さんってあんな感じだったんですか?」
「いや、全然違う」
「へえ」
「・・・」
「・・・」
「・・・いつかは分かってくれんじゃねーの? お前んとこだって」
「え?」
「今すぐは難しくても、時間が解決してくれることもあるって言うし」
「そう・・・だといいんですけどね」
「それまではオレが分かっててやるから、それで我慢しとけ」
「先輩・・・ホモ大嫌いなのに(笑)」
「“ホモ”は嫌いだけど」
「じゃあ、なんで?」
「・・・」
「?」
・・・お前はお前だから
「え? なに?」
「べ、別に」
・・・本当はちゃんと聞こえてた。
先輩はオレに聞こえないように言ったのかもしれないと思って、聞こえなかったふりをする。
でも忘れないけど・・・絶対に。

「な、なに泣いてんだよ?」
「あ、これは・・・映画のラストで感極まっちゃったのがぶり返しただけです」
「ラスト?」
「ええ、あのキスシーンがずっと流れるとこ・・・前に見た時もオレあそこで号泣しちゃったんですよね」
「・・・」
「音楽もすごくよくて・・・」
「・・・オレたちもあんな風に・・・」
「はい?」
オレたちも?
「え? あ、いや、別になん・・・」
まさか、とは思ったけど確認しないわけにはいかなかった。
「あんな・・・って、もしかしてキスのことですか?」
「ち、違・・・」
「・・・そうですね。その時々で違うとは思いますけど・・・オレも自分でしてるとこは見られないし」
「だから別に・・・」
先輩が慌ててる。

「先輩はどんな風にしたいですか?」
先輩には難しいかもしれない質問をする。
「・・・は?」
「教えて下さい。オレ、先輩の希望にそえるように努力するから」
答えられない、かもしれない。でも。
「き、希望って・・・ねーよ、そんなの!」
「ちゃんと言ってくれないと、オレのやり方でしかできないよ」
畳み掛けるオレ。
「べ、別に・・・どういうのがいいとか分かんねーし・・・というより考えたこともねーよ。ま、前にも言ったじゃねーか。嫌な時は言うからお前の好きにすればいいって」
「え?」
「あ、ち、違うぞ。今のは、いつでもどこでも好き勝手にしていいって意味じゃなくて・・・」
「(笑) わかってる」
「・・・」

「オレは・・・嬉しそうにするキスが好きです。相手が大好きで幸せで嬉しくてたまらなくて・・・そんな気持ちでキスしたいし、してほしい」
「な・・・」
「二人が同じ気持ちだったらすごく嬉しいんですけど(笑)」
「・・・」
「ねえ先輩。今度は先輩の幸せをオレに少し分けてくれませんか?」
「は、はあ?」
「さっきはケーキでオレの幸せを分けたじゃないですか? それのお返しに」
「屁理屈言うな。第一、買ったのはオレ・・・」
「日付が変わるまででいいから」
「ち、ちょっと待・・・」
「オレの誕生日が終わるまで・・・ね?」
「あ・・・」
「先輩、今、オレどんな顔してる?」
「え?」
「嬉しそうな顔、してないかな?」
「んぅ・・・」

ねえ先輩、知ってる?
この映画、砂糖をかけたお菓子のように甘い って言われてるんだよ

誕生日の残りの時間
オレはまたたくさんの幸せを貰った・・・


おしまい



書いてて恥ずかしくなってしまった・・・。
おかしい・・・甘くするつもりはなかったのに。
ちょっと甘くないすか? そんなことない?
~~~甘さがどういうものかわかんなくなってきました(;一_一)

しかしながらバースデーネタが浮かびません。
昨年2本書いたんですが、今年は更にまったり~だめだめ~な感じですみません。
愛か? 森永くんへの愛が足りないのか?? 

ほんとはデートとかちょっと特別なお食事とか、お出掛けさせたいんですけど
とにかくスペシャルなシチュが書けないのです(T_T)
今年のBDもお家シチュでごめんね、森永くん。

読んで下さって有難うございましたー!

明日はGUSH発売日~そして7章最終話・・・。
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この記事のコメント
はじめまして
はじめまして、きなこです。ニューシネマパラダイスですよね?なつかしいな、映画にイッパイ見てた頃みたような。最後にカットしたキスシーンがいっぱい流れるんですよね。暴ラジも楽しいです。よく原作を読み込まれてますね。わたし的ツボ台詞がいっぱいでついニコニコしてしまいます。最終回はうわぁ~→しょぼんでした。寂し。早く浮上したいです。ssも感想も楽しかったです、ありがとうございます。
2011-07-12 Tue 02:29 | URL | きなこ #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
有難うございます★
きなこ様

はじめまして。
こんな辺境ブログにようこそm(__)m

そうです☆ ニューシネマパラダイスです。
あまり映画に詳しくないので、自分の大好きな映画をネタに使いました。
ラブストーリーじゃない作品だったら兄さんも借りやすいかな~と思いまして(#^.^#)

暴ラジ、聴いて(読んで)下さったんですね~有難うございます。
読みこんでるなんてとんでもない・・・
すっかり自分勝手な解釈でキャラ達に喋らせてしまってるので
大丈夫かな~キャラ崩壊してないかな~といつも怖々なんですよ(苦笑)
暴ラジでアンケート実施中(7/5記事)ですので、きなこさんもよかったら一言どうぞ(^O^)

最終回、やはり章ごとの最終話とは重みが違いますね。
でも二人が幸せそうな内容だったので何回も読みなおしてます。
実は、この7章ではなかなか読み返せない回も少なくなかったので・・・
素敵な最終回で良かったと思ってます★
きなこさんも早く浮上されて、楽しく読めるようになるといいですね。

牛歩なみの更新ではありますが、是非また遊びにいらして下さいね。
コメント有難うございましたー!
2011-07-12 Tue 08:37 | URL | 日和 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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