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会話作文~どっち?
2010-12-23 Thu 13:23
クリスマスイブイブ作文。
ネタが浮かんだ時は「これはクリスマスだろ!」と思ったのですが
書いてみたら・・・クリスマスじゃなくてもよかった・・・ような??
つまり日常の小ネタです(^^ゞ
先日UPしたクリスマス5日前作文とは特に続いてませんので
これだけ読んでいただいても大丈夫です。
※若干チャレ座談会の話を絡めておりますのでそこはご了承下さいね。
相変わらずな感じですので、それでもOKな方のみどうぞ。



「兄さん、森永さん、いらっしゃ~い」
「おう」
「メリークリスマス! お招き有難う、かなこちゃん。松田さん、ご無沙汰してます」
「寒かったでしょう? お部屋あたたかくしてるから早くあがって」
「お邪魔します」

今日23日は松田家でクリスマスパーティー。
招待された時間通りに、宗一と森永は松田家を訪れた。

「ごめんね。実はまだケーキが完成してないんだ」
「え? ケーキって・・・かなこちゃんが作ってるの?」
「うん。松田さんに教えてもらって。だけど思ってたより時間がかかっちゃって、今飾り付け始めたとこなの。あと30分くらい待ってもらってもいいかな」
「オレは別に構わんけど」
「あ、それならオレなにか手伝おうか?」
「でも悪いよ。今日はお客様なのに」
「全然気にしないでいいよ。松田さんも他に準備することあるでしょうから。飾り付けくらいならオレでもできるよね?」
「ホントに?」
「そうしてもらえると私も助かるわ」
「兄さん、森永さん借りちゃうけどいいかな?」
「ああ・・・」
「有難う。じゃあ森永さん苺を切ってもらえる? かなこはクリーム塗ってるから」
「了解」

森永が手伝ったこともあり、ケーキはすぐにテーブルに運ばれてきた。
苺ののったショートケーキ・・・でも4人分にしては立派すぎる大きさだとみんなで笑った。
パーティーの間中、部屋にはかなこのはしゃいだ声が響いていた。
かなこは宗一たちが選んだ手袋とショートブーツのプレゼントに感激し、包みをあけるとその場で身に付けて披露する。
それらは想像していた以上にかなこに似合っており、宗一も森永も目を細めずにはいられなかった。
かなこからのプレゼントは以前に宣言されていた通り手編みのマフラーだった。
時間が足りなくて一つしか作れないから二人で交代で使えるものを、と言っていたくせにちゃんと二人分用意していた。
森永には綺麗なブルーの、そして宗一にはモスグリーンのマフラー。
松田さんと一緒に、二人に似合う色の毛糸を選んだのだと言う。
巻いてみるとふわっと柔らかい肌ざわりでとてもあたたかかった。

近況やかなこの受験のことなどを話していたらあっという間に数時間が過ぎた。
夕方も近くなった頃、二人はかなこと松田さんに見送られ、プレゼントされたばかりのマフラーを巻いて松田家を後にした。

「プレゼント、喜んでくれてよかったですね」
「そうだな」
「かなこちゃんからもこんなにあったかいマフラーもらっちゃったし。色違いだけど形はお揃い❤」
「編み物始めたばかりだって言ってたから、まだそんなに種類作れないんだろ」
「でもすごく上手に出来てますよ。初めてとは思えないくらい」
「ん」
表情には出ないものの、宗一も嬉しそうだ。
「それにしても松田さんってホントに料理上手なんですね。和食が美味しいのは知ってましたけど今日の洋食もすっごく美味しかった」
「ああ」
「先輩も松田さんの料理、好きですよね?」
「そりゃあ・・・なんで?」
「オレ、松田さんに料理習いに行こうかな。先輩の好きな味付け覚えたいし❤」
「は?」
「こーゆーのはちゃんと教えてもらわないと案外出来ないもんなんですよ。オレ流に作ってたら先輩の好みの味付けはなかなか覚えられないですから」
「必要ねえって。お前の料理だって十分・・・」
「ん?」
「う、美味いっつーか」
「そう思ってくれてるなら・・・嬉しいですけど」
「・・・思ってるよ」
「先輩・・・」
言いにくいことを言って照れたのだろうか、森永を追い越そうとするように宗一は歩調を早める。

「かなこちゃんの手作りのケーキも美味しかったですね~」
「ああ。そんなに甘くなくて食い易かった」
「甘いの苦手な先輩が、いつもより随分食べてましたもんね(笑)」
「そうだったか?」
「食べてましたよ~。先輩の味覚に合わせて甘さ控えめにしてくれたんですよ、きっと」
「・・・ま、それでも甘いもんには違いねーけど」
「ケーキですからね(笑)」

「楽しそうだったな、お前ら・・・ケーキ作ってる時」
ふと、前を歩く宗一がそう呟いた。
「そうですね。料理って誰かと一緒に作ると楽しいですから」
「へえ・・・」
「? どうかしました?」
「いや・・・オレはなんにも作ってやれねーなと思ってさ」
「そんなこと・・・先輩は色々してあげてるじゃないですか。別に料理しなくても先輩の気持ちは分かってると思いますよ」
「・・・」
途切れる会話。

(なんだか元気ないな、先輩。どうしたんだろ)
後ろを歩いている森永には宗一の表情は分からないが、その声は少し寂しげに聞こえる。。
(あ、もしかしてオレがかなこちゃんの手伝いをしたから、とか? そうだよな・・会うの久しぶりだったのにオレがかなこちゃんのこと独り占めしちゃったようなもんだし・・・)

「あのぅ先輩・・・ケーキのこと、すみませんでした」
「ん?」
「なんか出しゃばっちゃったみたいで、オレ・・・」
「? なんの話だ?」
「え、だって・・・先輩、かなこちゃんとケーキ作りたかったんじゃ?」
「は? なんでオレがかなことケーキ作らなきゃなんねーんだよ?」
なんのことか意味が分からないというその表情は、隠しても誤魔化してもいないようだ。

(あれ? 違う? じゃあなんでそんなに寂しそうなの、先輩?)

「一緒に暮らしてるのに・・・お前を手伝ったことないよな」
「え?」

(もしかして、いやもしかしなくても・・・オレ? かなこちゃんじゃなくてオレと料理できなくて寂しかったって、先輩そう思って・・・?)

宗一が意識して言っているのではないことは森永にも分かった。
自分で気付かずに「お前と一緒にできなくて寂しい」と駄々漏れさせている。
森永の心臓が早打ちを始めるのには十分すぎる口説き文句だった。

「まあ、オレが台所にいても邪魔になるだけだけどな。かなこにもよくそう言わ・・・」
「先輩、今度一緒にホットケーキ作りませんか?」
咄嗟にそんな言葉が口をついて出た。
「は? なんだよいきなり」
「ケーキは今日食べたからしばらく食べたくないかもしれないけど、ホットケーキなら休みの日の昼にもいいかなって。ホットプレートで焼いて食べましょうよ」
「なんで・・・ホットケーキ?」
「実はオレ、ホットケーキって自分で作ったことないんです。1人で食べるものじゃないっていうか、一人だとどうしても余っちゃう気がしてたんですよね。だから・・・先輩とオレで二人分、タネから作ってみません?」
「タネから?」
「うん。粉に卵と牛乳混ぜるとこから」
「・・・上手く出来る自信はねーぞ」
「オレだってそーですよ(笑) 作ったことないんですから」
「・・・」
「オレに焼いてくれませんか? ね、先輩」
「・・・別に、いいけど・・・」
「よかった。じゃあオレは先輩に焼いてあげますね❤」
「ど、どっちが焼いてもいいだろそんなの」
「(笑) 普通はハチミツかけたりするんですけど、バターとかクリームチーズとか、先輩の好きなものをのせたらきっと美味しいですよ」
「・・・そういうのも面白いかもな」
「色々用意して食べ比べてみましょうか」
「そうだな・・・」

まさか先輩がオレと一緒に料理したいと思ってくれるなんて
かなこちゃんじゃなく、オレと一緒に出来ないことを寂しいと感じてくれるなんて
考えたこともなかった
でも 間違いなくこれは
オレだけにくれた特権だよね?
うぬぼれてもいいよね、先輩?

「ホットケーキってお好み焼きみたいに作るんだろ? こう、パカッとひっくり返す感じで」
「まあ、そうですかね。寧ろお好み焼きの方が難しいんじゃないかな?」
「ならオレにも出来るかもしれん」
「先輩、お好み焼きは作ったことあるんですね?」
「いや、ないけど」
「え~? じゃあその自信は一体どっから来るんです?」

でも森永には分かっているのだ
愛しい人が自分のために作ってくれるものは
どんな有名パティシエの作るケーキより
美味しくて甘いということを・・・


おしまい



クリスマスというよりケーキネタ? それもちがうか?
森永くんとかなこちゃんはホントに仲良しなので、その様子を見て兄さんが
かなこちゃんをとられた ではなく
森永をとられた(語弊はありますが) と
ちょっと寂しく思うシチュを想像して書きました。
あくまで「寂しさ」であり「嫉妬」ではないのがポイントです(なんのポイントだよ)。
で、それに気付くのは兄さん本人ではなくやっぱり森永くんなのでした(笑)

読んで下さって有難うございました。 
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