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会話作文~オレとセンパイ
2010-11-21 Sun 04:23
作文ばっかり書いてますね・・・
元気になったのなら仕事をしろ!という声が聞こえる気もしますが
仕事もしてます。
大丈夫ですよ(なにが??)。

今回の作文はいつもの作品より創作要素がかなり多めです。
ぶっちゃけ兄さんは登場しません(※それっぽいのは出てきますが(^^ゞ)
一言でいえば「ファンタジー」な創作です★
オリジナルのイメージを壊す可能性もありますので苦手な方は読むのをご遠慮ください。


それは偶然目に入っただけだった。
普段ならきっと気付かなかった、と思う。
通り過ぎるはずのその場所、その時間、それを見つけたのは・・・運命だったのかもしれない。


アパートに着く頃にはもうすっかり陽が落ちて暗くなっていた。
何気なく見たアパート近くのゴミ捨て場、何かが動いたように見えた。
(・・・なんだろ?)
薄暗い道、近付いてよく見てみるとそこには一体の人形が捨てられていた。
全長30cmほどでヒトの形をしている。
うつぶせ状態で投げ出されたそれの服は泥で汚れていて、持ち主に捨てられたんだろうと容易に想像出来てしまう。
だけど何故かその人形が妙に気になった。
後ろで一つに結われた色素の薄い長い髪、Yシャツとジーパンらしき衣服を身に着けた人形・・・けれど普通の人形とは明らかに違う。
だって、その頭には大きな三角の耳が二つと、長くて細い尻尾が生えていたから・・・。

どうしても目が離せなくて、少しの間オレはそれを見つめていた。
「・・・ぅ・・・ん」
「え?」
微かだけど動いた。声も・・・え? 声?
もう一度見直してみてもやっぱり動いてないみたいだ。見間違いかな。
オレは背中部分に恐る恐る手を触れる・・・少し温かい。小刻みに耳も震えている。
もしかして・・・生き物?

どうにも放っておけなくなり、オレはそれを両手であおむけにしてみた。
・・・一瞬息が止まる。
色白の肌に切なげな口元、丸メガネをかけたそれは異様な耳と尻尾とサイズを考えなければどう見ても人間の男だった。
時折苦しそうに歪められるその顔を見つめながら、この生き物の正体よりその声を知りたいと、そんなことをオレは思った。

オレは、その生き物をアパートに連れ帰って手当てをした。
身に付けていたシャツとジーンズは軽く手洗いして干しておく。
服を脱がせる時、ほんの少し戸惑った。
思っていたより身体は傷だらけで、そして・・・その肌が凄くきれいだったから。
とりあえずベッドに寝かせて湿らせたタオルで傷口を拭いた。
ベッド、でかいな・・・いや、この生き物が小さいだけなんだけど。

「・・・っ」
「あ・・・気がついた?」
その生き物は寝起きというより痛みで目覚めたような、辛そうな表情を浮かべた。
「お前・・・誰だ?」
一瞬にして鋭く変わった眼で睨まれる。
「君こそ・・・な、何者?」
相手が日本語で問いかけてきたのには驚いたけど、こっちとしても聞きたい事がある。
「? どこをどー見てもネコだろーが?」
は? いやいや、どこから見てもネコじゃないでしょ? 耳と尻尾以外は別モノでしょ?
と反論しそうになったけど相手は怪我人(人じゃないか)、別の言い方で訊き直してみた。
「オレの知ってるネコとは見た目違うみたいなんだけど・・・体に毛も生えてないし」
「生えてるって・・・あれ? 毛が、毛がにゃくなってる??」
「・・・毛なんて最初から無かったよ? あ、服汚れてたんで今洗濯をし・・・」
「服じゃねー、ありゃオレの毛だ。ネコの毛をはぐなんて、にゃんてことしやがる・・・どーりで寒いと思ったんだ」
「え? あれ、君の毛だったの?」
「見りゃ分かんだろー、ったく・・・」
・・・すいません。見ても全然分かんなかったです、オレ。
「ごめん。随分汚れてたから洗った方がいいかと思って・・・余計なことしちゃったね」
「・・・」
「すぐ乾かすから、ちょっと待ってて」
「いや・・・」
「?」
「にゃんか・・・世話してくれたんだろ、お前。手間かけさせて悪かったにゃ」
「あ・・・それは全然いいんだけど(*^_^*) でもどーしたのその傷。体中擦り傷と切り傷だらけだよ?」
「・・・大勢に囲まれちまって・・・畜生、タイマン勝負で負けたからってきたねー手使いやがって」
「勝負?」
「3丁目で幅きかせてるテルって奴知らねーか? あの辺ではにゃんばー2のネコだ」
「もしかして・・・ネコと喧嘩したとか?」
「だからそう言ってんじゃねーか。ネコ同士のにゃわばり争いにゃんかしょっちゅうだよ」
ネコ同士って・・・ほんとにネコ世界で生きてんだ・・・。
「まあオレはにゃわばりとかあんま興味ねーけど」
「ちょ、ちょっと訊きたいんだけど・・・君のこと、他のネコも・・・その、ネコだと思ってるの?」
「はあ? さっきからにゃに言ってんだ? ネコにゃんだからネコだと思ってて当たり前だろ?」
君がネコ・・・ねえ。オレにはそうは見えないんですけどね。
「そ、そうだ。君、名前はあるの?」
「にゃまえ?」
「そう。まわりのネコにはなんて呼ばれてる?」
「・・・あにき、とか。あと、センパイ・・・とかにゃんとか、そんにゃ感じの」
「センパイ?」
「意味はわかんねーんだけど、前にエサの獲り方を教えた物知りの外国猫がそう呼んでた。お前知ってるか? センパイってにゃんだ?」
「センパイっていうのは・・・目上で自分が尊敬する人に使う呼び名、かな」
「尊敬、か・・・へ、へえ、そうにゃんだ」
少し照れたような仕草が妙に可愛らしい。
「じゃあオレも・・・君のことセンパイって呼んでもいいかな?」
「へ?」
「だめ?」
「べべ、べつに構わねーけどさ」
あぁ、今度は顔まで赤くしちゃって・・・ちょっとちょっと、すんげー可愛いんですけど??
「お、お前は?」
「ん?」
「お前は、にゃんていうんだ?」
「オレは森永。よろしくね、センパイ(^-^)」
「も、ももも・・・」
「なに?」
「あ、ありがとにゃ。もりにゃが」
耳まで真っ赤に染めて片手(前足?)を出したセンパイと、オレは握手を交わした。

「くしゅんっ」
センパイがくしゃみをひとつした。
「大丈夫? 寒い?」
「・・・へ、平気だ、これくらい」
オレが毛皮?を剥いだせいで裸になってしまったセンパイはとても寒そうだった。
このままにしていたら風邪をひいてしまう・・・かといって、着替えられるネコ用の小さい服なんてあるわけもなく。
仕方ないので半分に畳んだタオルに首を通す穴を作り、それを着てもらった。
ひも状にしたハンカチで腰のあたりを結んだら簡易的なムームーみたい・・・ってそれは言い過ぎかな(苦笑)
「すぐにアイロンで乾かすから、ちょっとだけこれで我慢しててね」
「肌ざわりいいし・・・これ気に入った」
ホントに? センパイって案外心広いのかも(笑)

その時「きゅぅぅ」という可愛い音が。センパイの腹の虫だった。
「おなか空いてるの?」
「べ、べつにすいてにゃい!」
「ネコが好きそうなもの、なにかあったかな? そうだ、から揚げは? 食べられる?」
「から・・・?」
「鶏肉なんだけど。昨日のが残ってるから食べる?」
「い、いらん。野良猫は死んでも人間の施しにゃんか受けねー!」
そう言ってる間もセンパイの腹は「きゅぅ~ころころ」と可愛い演奏を繰り返し、その度にセンパイの顔はどんどん赤くなっていく。
・・・長いこと、ちゃんと食事をしてなかったのかもしれないな。
「オレもこれから夕飯だから。よかったら一緒に食べない? 食事は大勢の方が楽しいし」
「・・・」
「ね?」
「そ、そういうことにゃら・・・食べてやってもいい」
「うん(くすっ)」

ローテーブルにオレの分の夕飯とセンパイ用のから揚げを手早く並べた。
センパイは自称ネコではあるけれど、冷たいままのから揚げを出すのも憚られてほんの少しレンジで温めてみた。
そのから揚げを両手で(爪で抑えて)持ってはぐはぐと上手に食べるセンパイが、また可愛くてしかたない。
(ネコなのにあったかいの大丈夫なんだ・・・どこまでも不思議だなあ)
「こんにゃ旨い肉、初めて食べた! から揚げって旨いにゃ!」
「そう? よかった(笑)」
食事しているセンパイの姿にすっかり釘づけになり、オレの箸は全く進まなかった。

食事の後片付けを済ませて戻ると、センパイは座布団の上に体育座りして静かに待っていた。
初めて見るTVに見入っていたのかもしれない。
「センパイ、TV面白い?」
「・・・この箱から飛び出てきそうだ・・・」
「(笑) 大丈夫。箱の中からは出て来れないから。恐がらなくていいよ」
「オ、オレは恐がってにゃんかにゃいぞ」
「そっか(笑)」
「もりにゃが・・・あのさ」
「ん?」
「その・・・もりにゃがに頼みが・・・あんだけど」
「頼み? オレにできること?」
「人間にノドをにゃでられると気持ちいいって・・・前に知り合いが言ってたんだ。オレは・・・野良だからされたことにゃくて。だから・・・」
「なんだ、そんなこと。全然いいよ(*^_^*)」
「い、いいのか?」
「うん(にこっ)」

センパイは恥ずかしそうな様子でオレに近付くと膝立ちになった。
上を向くようにして見せたそのノドをオレは優しく撫でた。
「ふにゃ~ん」
気持ち良さそうに目を瞑る。声を聞いただけで喜んでいるのが分かる。
「気持ちいい?」
「ん~~~♪」
センパイは満足げにゴロゴロとノドを鳴らした。
オレもなんだか嬉しくなって顔が綻んでしまう・・・ネコって、か、可愛いなあ❤
ゴロゴロに合わせるようにセンパイの尻尾が左右に揺れる。
もう片方の手でセンパイの頭から背中を撫でながら、ついその尻尾にも触れてしまった。
その瞬間、センパイがビクンッと大きく体を震わせた。
「そこ・・・触んにゃ」
「あ、ごめん。尻尾は嫌だった?」
「嫌っていうか・・・くすぐったいような変にゃ感じがすんだよ・・・」
「そっか・・・知らなくてごめんね。もう触らないから」
「・・・ん」

「毛皮が乾いたら帰る。世話になったにゃ」
「え? もう帰るの? あ、待ってる家族でもいるのかな」
「いねーよ。オレは一匹オオカミだからにゃ!」
ネコなのにオオカミ??
「まだ傷も良くなってないし、せめて今晩くらいは泊っていかない? 天気予報でも今夜は雨が降るって言ってたよ(嘘だけど)」
「雨降るって?・・・そっか、雨か、う~ん・・・」
悩ませてごめん。でも今日はセンパイと一緒に居たいんだ、オレ・・・。
「今日はここに一泊して、朝ごはん食べていってよ。ちょっとした旅行だと思って」
「旅行・・・」
「幸いお客用のふとんもあるから、センパイはそこで寝・・・」
「い、いいってそんにゃの。ネコにゃんだから床で十分だって」
「でもさっきくしゃみしてたよね? センパイは今日はお客さんなんだから風邪を引かれたら困るよ。あったかくして寝なきゃ」
「こ、これ以上手を煩わせるわけには・・・」
真面目なんだな。でもさすがに床にそのままってわけには・・・。

「じゃあ、一緒に寝る?」
「・・・は?」
「一緒に寝たらもっとあったかいよ。ネコは人間の布団の中が好きだって言うじゃない?」
「そ、そうにゃのか?」
「そう聞くけど・・・違うのかな?」
「・・・オレは生まれつき野良だから・・・人間の布団に入ったことにゃい」
そっか・・・そうだよね。でもオレもネコと一緒に寝るのは初めてなんだよ。

オレは先にベッドに入ると、掛け布団を半分めくった。
「どうぞ」
「・・・」
戸惑いながらもセンパイはベッドによいしょと上がり、オレの隣にころんと横たわった。
掛け布団を静かにかけ、センパイの頭を撫でる。
「もりにゃが・・・」
目を閉じて静かにセンパイがオレを呼んだ。
「ん?」
「・・・あったかいにゃ、お前」
「・・・」
なんとなく嬉しそうなセンパイの表情になぜだかオレは胸がときめいた。
可愛いネコだと思っていた今までとは少し違うような・・・変な気持ちだった。

センパイは横向きのまますやすやと眠ってしまった。
その小さな腕(前足)にそっと触れると、まるで応えているかのようにオレの手を両手(両前足)でぎゅっと抱きしめた・・・。

どんな夢を見ているんだろう。
誰かに甘えることもなく一匹で生きてきたセンパイが、夢の中で母親ネコに甘えているのかもしれない。
もしかしたら好きな雌ネコを思い出しているのかもしれない。
でも
今はどんな理由でも構わないよ。
このままオレの手を抱きしめて眠って欲しいと・・・心から願った。

おやすみ、センパイ・・・



つづく・・・かも??



猫耳&尻尾のついた兄さん と 森永くん のお話でした。
以前二人を猫変化(体は猫、心は人間)させた話や
二人が迷い猫を預かる話を書いたことがありますが、
人間とそうでない者がちゃんと言葉で喋って心を通わせる?話が浮かんでしまって
ががーっと書いてしまいました。
一人と一匹は恋に堕ちていくのでしょうか?
はたまたその恋は成就するのでしょうか?
続くか続かないか定かではありませんが、とりあえず
森永くんにノドをコチョコチョしてもらって喜ぶ兄さんが書けてよかった★
それだけで個人的には満足です。

読んで下さって本当にありがとうございました。

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