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会話作文~解熱は急がず
2010-11-18 Thu 13:23
前回の記事でも触れましたが、先日久々に発熱しました。
咳はまだ治りませんが体調はすっかり元通りです。
心配して下さったみなさん、有難うございました。

発熱記念(なんだそりゃ?)に作文ひとつ。
実はこのブログで初めて書いた会話作文が風邪ネタだったんですよ。
風邪ひいたのが兄さんの場合と森永くんの場合で結局2本書いてたりして。
まあ、ありがちな話ですよね。
だけど私が書くと全然全然ぜーんぜん甘くないので・・・すみません。

おい、どっかで読んだことあるぞ・・・と思っても突っ込まないで下さる方のみ、どうぞ。



先輩・・・

かすかに自分を呼ぶ声を聞いた・・・気がした。
宗一は、まだ少しぼうっとする意識の中でその声を追う。

「ぅ・・・ん」
「あ、すみません。起こしちゃいました?」
「・・・森永、帰ってたのか」
「今さっき戻りました。・・・気分はどうですか?」
「・・・随分楽になった。大丈夫だ」
「そうですか。よかった」
「あ」
「?」
「おかえり・・・」
「・・・うん、ただいま」

ここ数日、宗一は研究で多忙を極めていた。
少し疲れている自覚はあったが、まさか発熱するとは思わなかった。
急激に寒くなったことも影響したのかもしれない。

「今、何時だ?」
「5時です。先輩の研究もきりのいいとこまで片づけてきました」
「そうか・・・今日は悪かったな」
「いいえ。いつもやってることですし(笑) それより汗かいたでしょ。着替え持ってきますね」
「ああ、頼む」

眠っている間に随分汗をかいたようだ。
おかげで熱も少し下がった気がする。

森永が着替えを持って宗一の部屋に戻ってきた。
「やっぱり汗すごい。着替える前にちょっと体拭きますね」
「え・・・ちょ・・・」
「パジャマ脱いで下さい」
「おい・・・」
ボタンを外そうとしていた宗一の手が止まる。
「お前、またよからぬことを・・・」
「まさか。体調の悪い先輩に何かするわけないでしょう(笑) オレは背中拭きますから、前は自分で拭いて下さいね」
「・・・嘘じゃねーだろーな」
「ええ(笑)」

促されて宗一がパジャマの上着を脱ぐと、森永はその汗ばんだ背中を優しく拭き始めた。
湯で湿らされたタオルの温度と感触が肌に心地よい。
「気持ちいい?」
「・・・」

緊張している・・・と宗一は思った。
ただ体を拭いてもらってるだけなのに、なぜこんなに意識してしまうのか。
タオルの心地よさとは逆に気持ちは落ち着かない。

「はい、背中は終了。じゃ、先輩」
洗面器の湯に浸し直したタオルを宗一に渡す。
「おう・・・」
手渡されたタオルは温かく、しっかり絞られていた。

「少しでも起きられそうならシーツも替えますけど」
「いや、いいよ。着替えたらさっぱりした」
「そうですか・・・先輩、もう少し休んで下さい」
「・・・そうする」

再び横になったものの、一度目覚めてしまったせいかすぐに眠くはならない。
ぼうっと天井を見上げていると、足元の方の掛け布団が少し持ち上げられたことに気付いた。

「森永っ!お前・・・なにしてんだ??」
「まだ少し熱あるみたいだから、足をさすってあげようと・・・」
「はぁ?」
「体の節々が痛い時は手でさすると楽になりますよ」
「な、なるわけねーだろ」
「もう・・・先輩、足ばたばたさせないで。ちょっ、蹴らないで下さいよ」
「触んな、バカ」
「・・・子供の頃、熱を出すと母親がいつもこうやってさすってくれたんですよね」
「・・・え?」
「母親の冷たい手が足に気持ち良くて・・・オレは体温高くて手もあったかいからあんまり気持ちよく感じないかもしれないけど(笑)」
「森永・・・」

静かになった宗一の足を、森永の手がゆっくりゆっくりさする。
「少しは、気持ちいい?」
「・・・オレはガキじゃねーんだぞ」
「(笑) だからオレがするんですよ。子供じゃないから、オレが」
「もう・・・いいって」
「もう少しだけ」

森永の温かい掌が、熱で張った筋肉や神経を解してくれているように感じた。
もちろんイメージでしかないのだけれど。
けれど、そんなことをされて宗一はなんとなくいたたまれない気持ちになってしまう。

「お前さ・・・オレに気を遣いすぎてねーか?」
「はい?」
「看病なんて必要ないって言ったろ? 寝てれば治るって・・・オレもいい歳なんだから自分のことは自分でなんとかする」
「先輩・・・」
「オレのことより自分のことを優先しろって言ってんだよ。同居してからお前、余計にオレに気を・・・」
「・・・気を遣ってるのは、先輩ですよ」
「・・・は?」
「オレたち一緒に暮らしてるんですよ? 病気の同居人を看病するって、普通じゃないかな」
「そ・・・」
「一人暮らしを二人でしてるわけじゃない・・・二人で暮らしてるんです。先輩だってオレが倒れた時は色々してくれるでしょう? お互い様ですよ」
「・・・」
「オレは全然変わってないから・・・同居する前からずっと変わってません。同居してから変に気を遣うようになったのは先輩の方です。前は普通に頼ってくれてたことも自分でやるって言ったり、オレに任せてくれなくなったことが増えましたよね? なんか・・・遠慮されてるのかなって思ってた」
「・・・甘えてるみたいで・・・嫌なんだよ」
「先輩は甘えてなんかないですよ・・・だから、あんまり考えないで今まで通りにして下さい。その方がオレも嬉しいし」
「森永・・・」
「寧ろもっと甘えてほしいくらいなんだけど(笑)」
「なっ・・・」
「でもね」
「ん?」
「こーゆーのは先輩にだけ、ですからね」
「?」
「友達でも家族でも看病するかもしれないけど・・・体を拭いたりさすったりするのは先輩だけだよ」
「だ、だから・・・しなくていいって」

足元に座っている森永から見えるはずないと分かっていても、宗一はつい顔を逸らしてしまう。
こんな顔、見られたら困る・・・。

「先輩・・・寒い?」
「いや、全然。なんで?」
「残念。寒いんだったらオレが添い寝してあっためてあげようと思ったのに(#^.^#)」
「てめ・・・やっぱりそーゆーつもりか」
「ち、違いますってば。もう、冗談をすぐ本気にするんだから、先輩は」
「お前が言うと冗談に聞こえねーんだよっ」
「先輩、休まないと」
「・・・ったく、また熱が上がっちまう」
「すみません(笑)」

森永の手は宗一の熱を吸い取っているかのように更に温かくなっていた。
それはもう熱いほどで・・・。
自分に触れているから・・・一瞬そんな想像もしたけれど。
これ以上熱が上がってたまるかと、宗一はぎゅっと目を瞑り必死で眠ろうとするのだった。


おしまい



書きあげてみると・・・やっぱり10か月前の作文と全然変わってない(T_T)
成長しない、というより後退してるかも??

熱がある時に体(足)をさするのがいいのか悪いのかは分からないのですが
子供の頃、私の母がよくしてくれて気持ちよかったのを覚えてます。
私が大人になってから母にそうしてあげた時は喜んでくれたなあ。

森永くんの想いと、それを受け取る兄さんの気持ちを想像しながら書いてみました。
好きな人への“特別”は甘くて色っぽいのがいいですよね☆
私が書くと甘くないですが・・・(^^ゞ
しかし、病気だとしてもあの兄さんが自室の鍵を開けておいたりするかな~?
ちょっと疑問・・・でも本編とは無関係なので許してね(*_*;

読んで下さって有難うございました。
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