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会話作文~祝★兄さんBD
2010-08-02 Mon 22:23
兄さんのお誕生日記念で作文・・・
書いたけど
ラブ要素もないし心情描写もない
ホントに地味な話です

誕生日なのに地味でごめん、兄さん(T_T)



7月も終わりに近づいたある日の夜のこと。
「先輩、何か特別に食べたいものとかあります?」
会話が切れたところで森永が宗一に尋ねた。
「は?何だよ急に」
「今度の月曜って先輩の誕生日でしょ? 当日はさすがに大学の研究で忙しそうだからその前の週末にお祝いしようかと思って」
「いくつになると思ってんだよ・・・もう祝われる歳じゃねーよ」
「いいじゃないですか。大々的にパーティーするわけじゃないんだし。先輩の好きなもの何でも作りますよ」
「だからいいって」
何も要らないと、そう言われることは予想していた。
それでも、ほんの少しだけ宗一の肯定的な答えを期待していた森永はそれなりに凹んだ。
「・・・先輩がどーしても嫌だっていうなら仕方ないけど。オレが楽しみにしてただけだし」
「オレの誕生日をなんでお前が楽しみにしてんだよ??」
訳が分からないという表情の宗一。
「だって・・・同居して初めて迎える好きな人の誕生日ですよ? 一緒に祝いたいって思うじゃないですか」
「は?」
「オレがそう思ってただけですけどね・・・あ~あ、週末何作ろうか色々考えてたのにな。あ、でも勝手に作ればいいのか。料理だし」
宗一の全否定の答えを忘れるかのように、森永は一人で勝手な想像を始める。
祝いたいのはオレ、勝手になにか作っちゃえばいいんだ。
「週末・・・か」
宗一が小さく呟く。
でもその呟きは森永には聞こえていなかった。
「久々にワインとか買って・・・」
「森永」
「はい?」
「日曜日、ちょっと付き合ってくれるか? その・・・他に予定がなかったら」
「な、ないです予定! もちろん付き合います!!」
珍しく宗一からの誘い。
デートかな?とあり得ないことを考えて夢心地の森永だったが・・・


「ここって・・・?」
「オレの母さんの墓だ」
 
8月1日 日曜日。
宗一と森永は巽家の墓前にいた。

「月命日には松田さんが来てくれてるし、オレやかなこも来れる時は来てる」
「だからお墓の周りがこんなに綺麗なんですね」
隅々まで掃除が行き届いている。
ただ最近供えられたらしい花は、ここ数日の暑さのためか力なくお辞儀していた。
宗一が墓石に水をかけ森永が花を替えると、不思議とそこだけに涼しい風が吹いたように感じた。

「この間・・・巴たちと墓参りした時お前来なかったからさ。なんか色々気遣ってたみてーだし」
「それは・・・やっぱり巽家の人間じゃないから遠慮すべきだと思って」
「まあそう言うだろうとは思ってたけど」
お前のことだからな、と宗一は言った。

墓の方を向いたまま振り向かず、宗一は背後に立っている森永に話しかけた。
「誕生日はオレが生まれた日には違いないけど、母さんがオレを産んでくれた日でもあるだろ?」
「?」
「だから・・・誕生日は両親に感謝する日だと思ってるんだ。オレを産んでくれた母さんに、それからオヤジにも」
「・・・」

宗一は少しだけ顔をあげ、墓石を見つめて呟いた。
「母さん・・・あなたが誕生させてくれた子供は今年もこんなに元気だよ」
一呼吸置いて、言葉を続ける。
「一日早いけど、産んでくれてありがとう母さん」
普段聞くことのない柔らかい宗一の声に、森永は無意識に聞き入ってしまう。
表情は見えないけれどきっと微笑んでいるんだろうと、森永は思った。

「一応紹介しておいた方がいいかと思ってさ」
顔を少しだけ森永の方に向けて話しかける。
「紹介?」
「お前のこと」
宗一はもう一度墓石の方に向くと、まるで墓石に話しかけるように喋り始めた。
「母さん。今こいつと一緒に暮らしてます。短い間だったけど実家にいたこともあったから知ってるかな。大学でも一緒で、今オレの一番近くにいる人間です」
「え?」
「偶然が重なって同居することになったけど。でも結構楽しくやってる」
「・・・」
「もうしばらくは二人で暮らすと思う・・・だから」

「これからはこいつも・・・一緒に墓参りに来ると思うから、そのつもりでいて下さい」
「先輩?」

「さて・・・顔見せもできたし、帰るか」
「あ、オレも先輩のお母さんに挨拶してもいいですか」
「? 別にいいけど」

目を閉じて、心の中で話しかける。
(先輩のお母さん・・・先輩を産んで下さってありがとうございます。心から感謝します。本当にありがとう。あなたのようにこの人を愛することはオレにはできないけれど・・・側にいられる限り大切にします。だから・・・側にいるのを許してください)

挨拶を終えた森永に宗一は疑るような顔で尋ねた。
「おい・・・お前なんか変なこと言ってねぇだろーな?」
「まさか。さすがに先輩のお母さんの墓前でふざけたこと言えませんて」
「ホントだな?」
「先輩を産んでくれてありがとうございますって、お礼を言っただけですよ」
「なんでお前が・・・」
「まあ、先輩をオレにくださいって言いたい気持ちはありましたけど(笑)」
「・・・は?」
「あ・・・じ、冗談ですよ」
「・・・冗談?」
「あれ? もしかして・・・ホントに言っちゃってよかったんですか?」
「ばっ・・・調子にのんなっ」
嬉しそうな、でもだらしのない顔の森永を思い切り殴る。
それでも一瞬にして真っ赤に染まったその顔を隠せるはずもなく。
「痛っ。・・・照れ過ぎですよ、先輩❤」
「ううう、うっさい。さっさと帰るぞっ」
耳まで赤く染まった宗一は普段よりも早足で歩き出す。
殴られても蹴られても幸せな森永は忠犬のごとくその後に付いていく・・・。

「・・・お前んとこも同じだと思うぞ」
森永の少し前を歩きながら宗一が小さな声で言った。
「はい?」
「いくら疎遠になってても、お前の誕生日にはお前のこと考えて、心配したり思い出したりしてるって。親ってのはそーゆーもんだ」
「・・・そうかな」
「オレだって・・・」
「え? なんです?」
「お前を産んでくれたお前の親に・・・感謝してる・・・しさ」
「!」
「~~~」
絶対に後ろを振り向いてくれることはないけれど、森永には今の宗一の顔が想像できた。
これ以上ないほど真っ赤になっているんだろう。
(優しい言葉をオレにくれるたび、この人はいつも恥ずかしがって照れて怒って・・・・そんな顔してくれるのが、嬉しい)
「・・・うん。ありがとう先輩・・・」

その時、宗一の携帯でメールの着信音が鳴った。
「かなこからだ。松田さん家で一緒に食事しないかって」
「サプライズパーティーですかね? かなこちゃんらしいな」
「別に要らんと言ったのに」
「いいじゃないですか。誕生日っていうのは祝われる側より祝う側の方が楽しいものなんですから。かなこちゃんのために行ってあげてください」
「お前もだよ」 
「へ? オレも?」
「? 当たり前だろ?」
自分も誘われたことに少し驚く森永と、そんな森永を不思議そうに見る宗一。
「あ、じゃあ手土産にケーキとか買ってきます?」
「それは・・・もう予約してあるから受け取って来いとさ・・・」
「手まわしいいですね。ケーキに“お誕生日おめでとう”ってプレートが乗ってたりして(笑)」
「・・・本気で要らん」
「先輩の分のケーキ、食べるの手伝いますよオレ」
「・・・ホントだな?」
「ホントです(笑) じゃあ急ぎましょうか。かなこちゃんたち待たせたら悪いし」
「ああ」

毎年誰かが誕生日を祝ってくれた
もういい歳だし、祝われるのは卒業してもいいと思っていた
でも
今年も一緒に祝える人がいる
今年から祝ってくれる人がいる
祝うのが嬉しいなんて言いやがって・・・
照れくさいけど・・・・嬉しいのも本当なんだ


おしまい


誕生日なのにお墓参りって地味だよね~、すみませんこんな妄想しかなくて(~_~;)
読んで下さって有難うございましたー。
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この記事のコメント
こんにちわ リズです

今回のssは 心から温まるような
そんな話で すごく読み応えがありましたww
誕生日を祝う事なんて 大人になったら
あんまり ないですからね
やっぱり 兄さんも嬉しいんですかねv

最近は暑いですが 暑さに負けず
更新してください 
待ってます
では^^
2010-08-03 Tue 18:15 | URL | リズ #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
リズ様

心が温まる・・・そんな風に言っていただけて恐縮です!
でも嬉しいです。

巽家長男で家族思いの兄さんは、
「家族優先 自分は二の次」って
無意識に、でも自然にそう行動してると思うんです。
自分が誰かを祝ってあげたいと思うように
自分を祝ってくれる誰かがいることを
森永くんに(はっきりと)気付かされて
素直に喜んでいいんだ(その方がいいんだ)と
そう考えてくれたらいいな~ と思って
書いた作文です。

本編連載が始まると確実に妄想することが減るので
作文はあまりUPしなくなると思いますが
時々は寄ってやって下さい<(_ _)>

読んで下さって有難うございました。
2010-08-03 Tue 23:31 | URL | 日和 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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