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会話作文~雨に降られて
2010-05-12 Wed 23:23
前回書いた未来予想図(スイートホーム妄想会話)の続きです。
続きは続きなんですが、スイートホーム関係なくなってるかも・・・。

そんなんですが、お暇でしたらどうぞ・・・。



家に着いた時には二人とも雨でびしょ濡れだった。
アパートまでほんの数分だったのに一気に降られて・・・ほんとに参った。

「ただいま~っ。・・・っ、靴の中まで濡れちまってる」
「すぐタオル持ってきますから。先輩、ちょっと待ってて。あ、靴下は脱いでて下さい」
「う~」

5月とはいえ、さすがに深夜はまだ冷える。
雨に濡れたりしたらなおさら。
早く着替えなきゃ風邪引きそうだ。

「先輩、はい、タオル」
「おう、サンキュ」

タオルを手渡そうと目の前の先輩に近づいたとたん、オレの体温が一気に上昇した。
先輩の差し出した手に咄嗟に反応できないほど・・・オレは動揺していた。
水気を含んだシャツは先輩の体にぴったりとはりつき、前髪からはぽたぽたと水滴が垂れている。
髪から落ちた滴が頬を伝い、首筋を撫でて胸元に吸い込まれていく・・・のを見送ったところで声をかけられ我に返った。

「森永?」
「・・・え?」
「? はやくタオル寄こせ」
「あ、ああ、すみません・・・どうぞ」
なんとか返事はしたけれど、それでも視線は先輩から外せない。

そういえば、ずっと以前にも同じようなことがあったっけ。
どのくらい前だったろう?
まだ片想い中で、先輩に認識もされていなかった頃・・・。


あの時も急に強い雨が降ってきた。
大学の庭で慌てて走り出す学生たちの中に先輩の姿を見つけた。
もちろん先輩がオレに気付くことはなかったけれど、今と同じように心を奪われた。
体のラインが露わになるほど張り付いたシャツは素肌に吸いついて、少し開いた襟元からのぞく鎖骨のくぼみに薄く溜まった水滴や、うなじに絡まった後れ毛がひどく煽情的で・・・。
そんな先輩から目が離せなくて、じりじりと胸を焦がす熱を必死で抑えた。
息苦しさと胸を締め付ける痛み。
あの瞬間オレはさとったんだ。
この人の全てを手に入れたいと願っていることを・・・。


先輩は特に何も気付かない様子で、タオルでシャツを拭いていた。
肌に纏わりついていたシャツの湿り気がなくなっていく。
それを見て少しホッとする自分に気が付いた。
そして、なんとなく心に引っかかっていたものが何なのかも・・・。

「すぐ着替えて下さい。あ、シャワー浴びます?」
「そうだな」
「先輩・・・」
「ん?」
「やっぱり・・・家は大学から近いとこに建てましょうね」
「? さっきの話か? ま、それができりゃ理想だけどな」
「(笑)」
「じゃ、ぱぱっとシャワー浴びちまうかな」
「はい」

ずっと引っかかってたことが何か、今はっきり分かった。
こんな姿の先輩を・・・誰にも見せたくない。
オレが特別に意識したこの人を、一体どれだけの他人が見たのかと思うと・・・悔しい。
濡れた体を無防備に晒す先輩にも苛立っていた。
・・・やましい想像をした自分のことを棚に上げて勝手を言っているのは解っている。
でも、不可抗力でも先輩のせいじゃなくても腹立たしく感じてしまう。


だから、家は大学に近い方がいい。
雨に濡れた先輩を見せたくないから・・・。
・・・先輩に対するオレの独占欲ってどんだけ強いんだろう。
ごめん、先輩。
それでも、そばにいていいかな。
・・・そばにいたいんだ、ずっと。


おしまい


あれ? 若干ポエミーになってしまったぞ?
回想部分はもちろんフィクションです。
暴君では雨に濡れるシーンって今までないですよね~。(ないよね??)
そのうちあるかもしれないけど(期待!!)
実はえ□ver.も考えてたんですが、どーも文字には出来なそうなんですよね(笑)
スイートホーム妄想と離れてしまってすみません。

読んで下さって有難うございましたー。

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